葵うたのweb連載【葵色日記】#43 桜の花びらふるころは

やっと春がやってきました。

桜が咲き、漂う香りが柔らかくなって「お、春かな?」と思えば、数日でまた寒さが戻り、「まだなんですね」とはやる気持ちを抑えていたら、突然の真夏日。
押入れの匂いがしみ込んだTシャツを慌てて引っ張り出したり……。

バタバタと季節の変化に振り回されましたが、今日からの天気予報を見て、やっと落ち着いた春の訪れに、ほっと胸をなでおろしています。

昨年同様に今年もお花見をして、とんかつを食べました。昨年の様子はこちら

桜もちょうど満開で、少し遠出をしてのんびりと堪能しました。
桜は下向きに花を咲かすから、寝っ転がって見るのが好きです。

今はもうすっかり散って、青々とした葉がいっぱいです。
次に咲くのは、また来年だ。

去年の連載を読み返すと、思っているより早く進んでしまう季節や時間に焦っている自分がいました。

それから1年が過ぎ、今年は環境が変わるタイミングでいろいろなことがあったので、焦るというより「改めてがんばるぞ!」という前向き張り切りモードです。

当時感じていた、理想の自分とそうでない自分とのギャップも、今となっては「まぁこんなとこか」と受け入れられるようになったのも、この1年の大きな成果だなと。

足るを知って、周りに目が向き、それから目標を見据える。
一人でこもっていたら得られなかった変化の中には、やっぱり他者がいることに気付く。

人生は他者だ。

環境が変わる引っ越しについて。

子供の頃から引っ越し族だった影響もあるのか、上京してからも家の更新のたびに引越しをしていました。

今年も更新があったので、思い切って、今までとはまったく違う土地に引っ越しました。

そんなことをしているので毎度資金の余裕がなく、今年も友人達に手伝ってもらい、大型のハイエースにせっせと荷物を突っ込み、汗を流します。

大変だけど、その時間が嫌いじゃない。
大体引っ越しは春なので、車内で春の思い出の曲を流します。

私の思い出の曲は「さよならぼくたちのほいくえん」です。
卒園式にみんなで歌った曲で、今でも大好き。
園での思い出がよみがえってうるっときます。
聴いてほしいな。
その時は子供たちが歌っているバージョンをぜひ!

不思議と新しい家に住んでみると心身ともに穏やかで、朝もすっと起きれます。
風通しの良い場所に身を置くと、自然と体の巡りが良くなる。
窓を開けてホウキで床を掃き、和食中心の朝ご飯を食べる。
今日は夜に予定があるので買い物を今のうちに済ませて、連載を書き、畑の土をいじっておやつを食べたら、控えている作品の準備に取り掛かります。

ルーティーンの中で予定をしっかり立てると、集中力が増すことに今さらながら気付きました。

人に会うのも今までみたいにフットワーク軽く出来ないので事前に予定の中で「約束」をする。

なんとなくでやらない大切さ。

ありがたいことに今月来月と作品が続きます。
一つ一つ丁寧にコツコツと。
がんばります!

【毎連載恒例のオススメの一冊】


「おまじない」著者/西加奈子

葵うたの aoi utano
’99・7・4埼玉県出身。蟹座。B型。
俳優・タレント。ドラマ「ガールガンレディ」、「パリピ孔明」などの出演経験があり、アニメ「Artiswitch」では主人公の声優を担当。短編映画「その夜のさえずり」、東京藝大映画専攻 製作映画「婚前判断」がYouTubeで公開中。ディズニープラスで独占配信中のドラマ「フクロウと呼ばれた男」に中川ミキ役で出演中。

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