
夏です。夏。
皆さん、寒暖差、大丈夫ですか。
私はノースリーブに羽織でなんとか1日を乗り切っています。

それにしても、二週間って本当にあっという間ですね。
ついこの間、前回の連載をマネージャーさんに送った気もするのだけれど。
お恥ずかしい話ですが、私は昔から、何かと着手するのが、遅い。
SNSを見ていると、そうゆう人間の心理についての分析が流れてきます。
私がお願いした訳じゃないのに、見せてくる。
どうしてわかるのでしょう。慄きながらも、結局見てしまうのが、人間の性ですね。
ただの怠慢でしかないと思うのですが、その記事によると、それらはその人間の‘‘完璧主義‘’な性格から起こったりする、らしいです。
…うむ。なんとなくわかる。
話を進める前に、これは、言い訳でもある、と最初に言っておこうと思います。
いや、でも、じゃない、言い訳です。
どんな理由があれ、やるべきことはさっさとやった方がいい。
そのことを前提に置いておきます。
完璧主義について。
例えば学生の頃、授業でノートをとりますよね。覚えたり、後で見返すために。
それについて、私は頭に入れるため、ではなく、満足のいくノートを完成させるため、に書いていました。
授業中はざっとメモし、他の時間でマーカーや付箋、定規を使って、びっしっと清書するんです。改めて描くことで頭にしっかり入りそうですが、目的はそこではなく、完璧なノートを作りたかったから。
だから、一文字でも気に入らない筆跡があると、その度に消して、その一文字をまた書き直す。満足いく文字になるまで。
…なんて効率の悪い。
それから、洗濯物の畳み方。
Tシャツなんてビシッとしわのないように畳んで、前に畳んだものと(サイズが違えど)きっちり出来上がりのサイズ、形が合うように畳みたい。
タオルだってそう。
これは母に、遅いと怒られました。
いつまで畳んでいるんだと。
適当でいい。と何度も言われ、実際にどーでもよく畳んでみると(タオルはくるくると巻く畳み方にしてみた)あらびっくり、作業が半分以下の時間で終わる。し、疲労感もなく、次にやらなければいけないことに手をつけられる。
爪切り一つとっても、指が何本あるの?と言われるぐらい、ちまちまと、ギリギリまで切ります…
とまぁ、こんな感じで。完璧主義にこれらは当てはまりますでしょうか…ここに書いても害のない例ですが。
私の完璧主義のよくないところは、時間がかかることと、落ち込みやすいことがあります。
そうなってしまってはただただ不健康です。
何事も、ほどほどに。気楽にやっていくことが大事だと思う今日この頃。
何事も、とりあえず行動する、話はそこから。
こだわるところと、手を抜くところを見極めなくては。
見極めるのが苦手なら、日々決まっているタスクに対して、どのぐらいの意欲と完成度でやるか、ルールをきめてしまえば、だいぶ楽になるんだと思います。
最近、私の人生は「適当」と「口は災いの元」ということを学ぶ人生なのでは。と思ったりしています。
(これを私をよく知る人たちに話すと、毎回笑われるのですが。笑)
前回の連載で、私の「ナァナァ」について話しましたが、矛盾ですね。笑
だらしない人間に見えていないか、些か心配です。
改善はできる事だらけなので、策をとっています。
小さいノートを内容によって分けていましたがそうすると、書くのが億劫になったり、無くしたりするので、大きい分厚いノートにして、スケジュール、日記、TO DOリスト、メモをひとまとめにしたり。
洋服選びも、実はストレスになったりするので、それぞれのシチュエーションで組み合わせを決めておくようにしました。
私のマネージャーさんはお洒落で判断に長けているので、よく私に足りない服を選んでもらっています。
あとはもう、着心地のいい形、素地の服をいくつか。
きっとこうして、自分の中で決まった形ができていくんだと思います。
今回の連載は、「自分の性質についての反省と対策」のお話になるんですね。
いつも書くときは、特にテーマは決めずその時思いついたことをどばーっと綴る、というか、放出しています。
だから見返すと、私の調子と思考の傾きがわかる。
私の頭の中は、いつもうるさい。
ひどい時は、同時に何か三つぐらいのことが頭の中で(言葉だったり感情だったり)が浮かんでいて、その裏で、音楽(既存のメロディーや歌詞)が流れている。
油断すると、思考がどんどん脱線していくので、話が唐突だったり、話したつもりで伝わってなかったりすることが親しい友人との間でよく起きてしまう。
シンプルになれる場所を無意識に探しています。
昔から、それは図書館だったり、映画館、絵を描く時間、後は、サイクリング。ですね。人も場所も思考も時間も、澱みなく流れていくのがいい。
サイクリングについて、運を動かす、運動、と言う意味で、最近は頻繁に行なっています。
没頭できること。
本は友達と言うけど、まさにそれで、
本は私のペースで、相手の言葉や物語に入っていける。一種の旅。
寝れない夜も、寂しいときも、本を開く。
わからなければ、聞き返さずとも読み戻れるし、好きな言葉に触れられる。どこにでもいける。
子供の頃、私を救ってくれた一冊は『西の魔女が死んだ』
今でも私の宝物です。
最近はそれに、ある場所が加わりました。
それは、深夜のファミレス。
場所のルールがあって、それは車が頻繁に通ると言うこと。車が流れていく場所。
うるさすぎちゃいけない。流れはあるけど、ひっそりとしているのが大事。
深夜のファミレスの音が好き。
BGMはうっすらと、空間に統一性を持たせつつ個人の思考を削がない程度のボリュームと曲のセレクト。主張がないのがいい。どんな気分になるのも、個々の自由。
それから、金属のカトラリーが食事の際にお皿にぶつかり、カンカンとなる謙虚な音。ナフキンをくしゃくしゃとする音。
声を張らずに行われる、内容まではわからない会話。
それらのすべての音に、一種の夜が含まれてる。それが好き。
各々が、夜を自由に過ごしてるその空間が、とても好き。
一人用の席もあるけど、わざわざ窓際のボックス席に座るのが好き。
店内はポツポツと人がいるので、気兼ねなく贅沢に座れる。
そのポツンと感がとっても特別。
今日は、どの本を読もうかな、どの物語を、誰の話を聞こうかな。
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やるべきことを終えて、顔を上げると、時刻は午前2時。
今日は午前中に家の鍵が壊れてしまって(うちは今電気?で作動するシステムになっている)コンビニに買い出しに出たあと、中に入れなくなってしまったりで、色々な作業を始める時間が遅くなってしまった。
便利も、ちゃんと管理しないと、かえって面倒になってしまう。
部屋を見渡すと、愛犬が私から少し離れたクッションの上で寝ている。
部屋は煌々と照らされていて、なんだか申し訳ない。
そういえば、時折ため息をついていた。
譲許した時から一緒に生活している。私の夜ふかしにも慣れたものだ。
「おやすみ」と毛布をかけると、チラッとの私を見てため息。
猫のサクスケの姿は見当たらない。
ベットに入り、枕元の間接照明をつけて、昨日購入した本を開く。
1日の終わりに、自分のベットに潜り込む時間は、代え難い幸せです。
すぐに猫がぴょんっと飛び乗ってくる。
遅くなってごめんね、と声をかける。
私が台本と睨めっこして、しゃべっている時、ソファーの上の私の頭の横で、真剣に聞いていましたね。我が家の監督。
小さく鳴いて、それから、私の体に乗って、喉をゴロゴロと鳴らし、ふみふみマッサージが始まる。
ベットの下では、犬のテンさんのピーピーと音を立てる寝息。
今日も無事に終わる。
一人と二匹。
それぞれが好きな場所で好きな体勢で。
この子達と生きていくんだという、責任と安心感を、幸せを噛み締めて、さっきまでの眉間の皺を伸ばして眠りにつく。
【毎連載恒例のオススメの一冊】

葵うたの aoi utano
’99・7・4埼玉県出身。蟹座。B型。俳優・タレント。ドラマ「ガールガンレディ」、「パリピ孔明」などの出演経験があり、アニメ「Artiswitch」では主人公の声優を担当。主演の星野可子役を演じた長編映画「タイムマシンガール」が全国各地で順次公開中。公開場所や日程は公式SNSをチェック。また、毎週火曜深夜0:58から放送中のTBSドラマストリーム『三人夫婦』に、池野梨菜役で出演。ほか、山田彩花役を演じたドラマ「さっちゃん、僕は。」がNetflixにて配信中。