「アイドルカレッジ14th AnniversarLIVE ~あなたとみたいYOZORA~ in 日比谷野外大音楽堂」ライブレポート

新たな伝説に挑む16人が、アイカレ14年史から珠玉の22曲を熱唱! 

数々のアーティストが、この会場を目指し、歴史を紡いできた日比谷野外音楽堂、通称“野音”。9月3日の夕刻、新たな伝説の誕生を誓う16人の少女が、野音の舞台裏で円陣を組んでいた。ステージの巨大スクリーンにメンバーのプロフィール映像が流れはじめると、客席を埋めるファンのボルテージは一気に上昇。ダイヤモンドチェックに星柄を散りばめた新衣装に身を包むアイドルカレッジ(=アイカレ)の精鋭たちが、舞台に登場する!

目次

アイドルカレッジ14th AnniversarLIVE〜あなたとみたいYOZORA〜in 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

  • 01. ファンタスティック・ファンファーレ
  • 02. #常夏女子希望!!!
  • 03. 制服恋物語
  • 04. 前髪が決まらない
  • 05. 青春ライナー
  • 06. 僕のシャッターチャンス
  • 07. STRIPE
  • 08. 灼熱天国
  • 09. Wonderful Story
  • 10. 雨のち晴れ
  • 11. いちごパフェ
  • 12. NGワード~キミガスキ~
  • 13. ハルモニア
  • 14. 世界的トリコメーション
  • 15. RAINBOW GATE
  • 16. トゥルーエンドプレイヤー
  • 17. ナミダワライ
  • 18. AKATSUKI
  • 19. ICHIBANBOSHI
  • 20. 無我夢中Days
  • 21. せいしゅんしもべティック
  • 22. YOZORA

アイカレにとって過去最大規模のワンマンライブ・日比谷野音公演が発表されたのは昨年末。ファンもメンバーも待ちに待った14周年の大型ライブがついに幕を開けたのだ! 最新シングルのカップリング「ファンタスティック・ファンファーレ」のフォーメーションの中心で、若林春来(はるき)が「日比谷野音ワンマンライブ、最高の日にしようね!」と第一声を放つ。そのきらびやかなメロディーと「♪今日のこと 絶対忘れない」という象徴的な歌詞で、野音は一瞬にしてアイカレの聖地と化す。

若林春来

続く「#常夏女子希望!!!」は2015年発売の夏ソングの佳曲。懐かしいMV映像をバックに、アクロバティックなダンスが新旧でコラボ! メンバー16人がアイカレの校訓「清く、正しく、楽しく」を宣言し、誰もが「ついにこの日がやってきた」と興奮冷めやらない様子。リーダーの海老原優花は「円陣のときから緊張で涙が出てきて、嗚咽(おえつ)みたいになった」と苦笑し、初代リーダーの南千紗登も「大きな会場は4、5年ぶり。自分のテンションを制御できない状態」と心情を語る。加入してまだ半年の三ツ矢真歩は「いろんな曲で舞台に立ちたい一心で、今日まで練習してきた」、上野凛夏は「1曲1曲に思いを込めて、歌って踊って、今日は最強のアイドルになりたい」、島田詩音(ことね)は「口だけじゃなく、本当に眠れなかった。今はそれがすべてワクワクになっている」と、それぞれの高ぶる想いを訴えた。

海老原優花
南千紗登
三ツ矢真歩
上野凛夏
島田詩音

会場に響きはじめたのは、アイカレ結成当時のシングル「制服恋物語」だ。ファンは再び総立ちとなり、2ビートのクリスタルサウンドに時空を超えたコールが巻き起こる。その約10年後にリリースされた「前髪が決まらない」へ歌唱は引き継がれ、アイドルソングの王道を貫くアイカレの変わらぬポリシーを実感。「青春ライナー」ではお決まりのタオルパフォーマンスで、メンバーとファンが一体に! 舞台上には加藤舞(ひらら)神谷優梨亜渡邉希奏(まかな)永田真由美らの候補生が残り、心境を告白。加入わずか1ヶ月の加藤は「短い期間で野音に立たせていただいてること自体、すごく光栄です」、加入3ヶ月の神谷は「しょっぱなの『ファンタスティック・ファンファーレ』から泣きそうになりました」、加入5ヶ月の渡邉は「この景色を見ることができて、人生の中で忘れられない1日になりそう」と目を潤ませた。同期の永田は、体調不良ながら「今日はできる限り、命をかけてがんばります」と言い放ち、「命までかけないで」と周囲の先輩を焦らせた。

加藤舞
神谷優梨亜
渡邉希奏
永田真由美

真夏の告白ソング「僕のシャッターチャンス」が始まると、誰もが推しメンを脳裏に焼き付けようと熱い視線を注ぎ、「STRIPE」ではサビのフレーズ「好きだ!」を推しメンに向けて連呼する。極めつけの超アッパーチューン「灼熱天国」で、野音は夏の夜の炎に包まれる! スクリーンに現れた「速報」の文字。1年後の9月6日、東京ドームシティーでワンマンライブが開催されることが発表。驚くメンバーたちは、15周年の金字塔に思いを馳せて「Wonderful Story」を熱唱し、ファンたちもいっそうの歓声と躍動で応えた。デジタルポップな「雨のち晴れ」がパーティー感をスパークさせると、アウトロはそのままノンストップで、アイカレ最初期の「いちごパフェ」のイントロへ。メドレーコーナーに突入の様相だ。13年前のラブリーソングから、メロディアスな「NGワード~キミガスキ~」、ギターロック調の「ハルモニア」、アグレッシブチューン「世界的トリコメーション」への畳み掛けで、会場はジェットコースター的疾走感に支配される! 気づけば、あたりは暮れ色に染まり、ビビッドな照明とカラフルなサイリウムが彩る野音は、現実とも思えいないマジックワールド。

髙桑凜羽(りう)は「初めて歌う曲もある状態で、野音を見たときは『えぇ、ここでやるの!?』ってびっくりした」とプレッシャーとの戦いを打ち明け、堤可鈴(かりん)は「野音に立つことができて、改めてアイカレに加入してよかったと感じた」と達成感を噛みしめる。高橋媛(ひめ)は「先輩方の卒業があって不安や悔しさも経験したけど、今日の日を迎えられたことが何よりうれしい」、峯島叶夢(かのん)は「客席が埋まるのか不安や心配だらけだったけど、舞台に立ってすべて吹き飛んだ」、藤代梨々花は「今日の日に向けて一致団結して、アイカレにとって最高の歴史を刻めたことがうれしい」と、おのおの困難を乗り越えて野音に立っている喜びを伝えた。

髙桑凜羽
堤可鈴
高橋媛
峯島叶夢
藤代梨々花

藤代の「ラストスパート!」宣言のあと照明が落ち、「RAINBOW GATE」の前奏に合わせて、スクリーンには1年前の沖縄ロケのMV。青い海や白い砂浜の映像と、ライティングがきらめく会場は、南国のパラダイスモード。クラップで始まる「トゥルーエンドプレイヤー」では、手を振るダンスに合わせて、サイリウムの海が幻想的に波打つ。海老名の熱いボーカルが牽引(けんいん)する「ナミダワライ」の「たどり着けなくても 歩く意味はある」という詞にメンバーの覚悟を感じ、続く「AKATSUKI」の「はかなく散る そんな運命だとしても 後悔など決してしない」という詞に、アイカレの決意を見る。そんな16人がこぶしを突き上げて熱唱する姿は、僕たちの心を大きく揺さぶった! ステージが濃紺に染まり、一筋のピンスポットが髙桑凜羽に当たる。「♪彼方に見える あの一番星」と力強く歌い出す髙桑が、センターに抜てきされた最新シングル 「ICHIBANBOSHI」に、会場は地響きの歓声だ。新たな事象へ挑むアイカレの高揚感あるサウンドは、ファンの興奮をかき立て、さらに「無我夢中Days」のスピード感で、盛り上がりに拍車を掛ける。突如、照明が暗転。鮮やかなグラフィック映像と共に、4器の特大スモークジェットが煙を噴出し「せいしゅんしもベティック」がスタート! 南千紗登の「声出して〜!」という魂のあおりに、ファンたちはエンジン全開のフルスロット状態。レーザー光線が飛び交い、サイケデリックな映像が明滅し、野音はクライマックスのお祭り騒ぎ。その勢いはさらに加速し、そのままグランド・フィナーレの「YOZORA」へ突入! アイカレのメジャーデビューシングルに、リミッターのはずれたファンたちの渾身のMIXがとどろき渡る。伝説と化す16人のメンバーは、乱舞するファンを狂騒の果てへ、野音の美しい“夜空”の果てへ連れ去っていく……。

オープニングコールを担った若林春来は「今日のライブのためにいろんな予定を調整して、いろんな準備をして参加してくださった皆さんの愛が伝わってきた」、今野穂乃花は「メンバーの卒業があって、みんな不安だったと思うけど、私自身も今日まで続けてきて本当によかった」、南は「最初から最後までたくさん声を出してくれて、振りもまねしてくれて、サイリウムもめっちゃきれいでした!」、海老原は「『どこのステージに立ちたい?』って聞かれたら『野音!』っていつも答えていたので、今日その夢をみんなに叶えてもらった。本当にありがとうございました!」と、ぞれぞれの感謝と感動をあふれさせた。

今野穂乃花

16人が横一列になって手を取り合い、客席に向かって肉声で「ありがとう!」を叫んで、深々と頭を下げ続ける。そんな彼女たちを讃えるファンの喝采も、野音の夜空に響いて鳴り止まなかった。

取材・文/田井庸介

●PROFILE

2010年4月に結成された、アイドル文化の繁栄を願い、王道とファンの皆様を守り続けるアイドルグループ。TARO☆Records所属。”未来のアイドルをみんなと育てていこう”をテーマに、将来のアイドルを育成するために開校されたアイドルカレッジをきっかけとしており、「清く、正しく、楽しく」を”校訓”として活動している。

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