●齋藤さんは海外旅行中の姿、与田さんは帰郷中の姿も映画には収められています。お互いのプライベートのシーンを見て、どんな感想を持ちました?
2人「(お互いを見合って)……」。
齋藤「ふふふふ」。
与田「(普段見ているお互いの姿)そのまま、そのまま、ですよね、結構」。
齋藤「でも、私、この映画の中で1番か2番かぐらいに好きなシーンは、与田が地元に帰って、おばあちゃんが(雑誌のグラビアなど)ファイリングしてくれていたものを見て、バーって泣いているところですね」。
与田「私は、飛鳥さんが最初、『期待しない』みたいなことを話していたのが、だんだんそこに込めた想いが明かされていって、映画の最後に言う言葉にグッときました。どんな言葉だったかはネタバレになっちゃうので言えませんが(笑)、いい女性だなって」。
齋藤「ありがとうございます」。
●齋藤さんが映画を通して改めて感じた与田さんの魅力はありますか?
齋藤「魅力ですか? うーん……ずーっと泣いているな、と思って」。
与田「ですよね(笑)」。
齋藤「出てくるたびに泣いていて(笑)。でも、その好きなシーンは、何の予兆もなく急に、大粒の涙がだらだらっと流れて、それが画としてすごい美しかったですし、私が結構、家族関係の話に弱いので、そこでちょっと泣きました」。
与田「えー!」
齋藤「あ、やっぱりウソ(笑)」。
与田「ふふふふ」。
齋藤「でも、ちょっとグッときました」。
●昨年の『レコード大賞』の舞台裏で、本番前にメンバーが集まって振りの練習を重ねるなど、ものすごく気合が入っていて、グループが1つになっている様子が描かれていますが、『レコード大賞』にかける何か特別な思いがあったんでしょうか?
与田「私、(17年に)初めて『レコード大賞』を『インフルエンサー』で受賞した時は、リアルタイムで、テレビで見ていて、もう泣きました」。
齋藤「うそ? なんで?」。
与田「なんかもう、かっこよすぎて、グッと来るものがあって、めっちゃ泣きました。だから、初めて『レコード大賞』で一緒にパフォーマンスをさせていただいた去年の『シンクロニシティ』の時は、前年のことを知っていたぶん、プレッシャーや緊張がありました」。
齋藤「やっぱり『インフルエンサー』の時の1度目の受賞があったので、1回で終わらせちゃいけないよねっていうのは、その時からみんな話していました。与田のことを『ボヤボヤしている』っていつも言うんですけど、割とメンバーみんなボヤボヤしている子が多くて(笑)、のんびりしたグループだけど、“決めるところは決める”っていう人たちなので、そういう時は何も言わずとも、みんなでちゃんとリハーサルをしていたりするんですよね。あと、西野が(メンバーとして)出られる最後の『レコ大』っていうこともあったし、(『インフルエンサー』『シンクロニシティ』ともに振り付けを手がけたダンサーの)Seishiroさんの言葉もあったりして、誰かが引っ張るとかっていうわけでもなく、自然とみんなで高め合っていて。私は現場ですごく、“みんな、プロだな”と思いました」。
●思い悩んでいる大園さんが、昨年の「レコード大賞」を受賞した現場で、とても印象的な言葉を吐露して、齋藤さんが抱きしめるというシーンがありました。その時、齋藤さんはどういう心境だったんでしょうか?
齋藤「本当に大園とは特別、仲がいいとかではないんですけど(笑)、やっぱり考え方が近かったりすることが多いなとは思っていたので、気にはかけていて。大園ってすごく純粋な子だけど、現実をすごく真っ直ぐ見ているし、俯瞰で物事を見ているなと思いきや、すごく感情的にもなったりするし、コロコロ変わる子なんです。なので、このアイドルっていう職業がなのか、芸能界って言う世界がなのか、分からないけど、そうやって心をずっと動かしていると、自分が疲れちゃうから、そういう意味で、大園のことは心配をしていて。大園自身はすごく乃木坂のことは好きだと思うんですけど、悩んでいる姿も近くで見ていたので、私は励ましたりするタイプじゃないので、話だけをいつも『うんうん』と聞いていたんです。だから、この映画の中で“その言葉”が出た時に、すごく気持ちがよく分かりましたし、『レコ大』のあの現場ってすごく特殊な現場なので、私もすごく心が動いていたっていうのもあって……(抱きしめてしまいました)。それに、普段から私の言葉では、そういう風に思わせてあげられなかったなっていう反省もちょっとあって。こういう(レコ大2連覇という)大きい出来事があったから、その言葉が出て、そこで、今まで悩みを聞いていても力になれてなかったんだなっていうことを実感して、『ごめんね』っていうことだったり、結構、いろんな感情がありました」。
●映画の中では乃木坂46というグループのあり方が少なからず描かれています。改めて、乃木坂46というグループの良さだったり、好きだなと思ったりするところはどういうところでしょうか?
与田「空気? あったかい空気? ぼんやりしすぎですかね(笑)。私が3期生として(グループに)入ってきた時には、乃木坂はもう、すごく大きなアイドルで、自分の中で“テレビの中の芸能人”という感じだったんです。それなのに(加入1年足らずで)突然、18枚目シングル『逃げ水』でWセンターをさせていただくことになって、不安すぎて。こんな急に入ってきた私がここにいていいのかなとか、すごく考えましたし、大丈夫かなと思っていたんですけど、ホントに周りの皆さんが優しいんですよね。スタッフさん含め、先輩も同期もみんな優しくて。だからがんばれたことがたくさんあるなとって、今、振り返って思いました」。
齋藤「私は、なんだろう……。なんか、みんな器が大きいなって(映画を見ていて)すごく思いました。私、あんまりメンバーに本当の自分を見せるのが……みたいな話を映画の中でしていたんですけど、そんなの別に見せたらいいじゃないですか(笑)。7年も8年も一緒にやってきていて、家族以上に一緒にいるんだし、そこで別に気を使う必要もないのに、ずっとうだうだしている私のことも、みんなすごく受け入れてくれるし。与田っちょみたいなボヤボヤしている人にも、優しくみんな手を差し伸べているし」。
与田「ホントにありがとうございます(笑)」。
齋藤「ふふふふ。すごい器の大きい人たちが、たくさん集まったグループだなとは思いましたね」。
写真:川上優
インタビュー:小畠良一
●映画情報
『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』
企画:秋元康 監督:岩下力 出演:乃木坂46
製作:今野義雄 北川謙二 大田圭二 秋元伸介 安齋尚志 エグゼクティブプロデューサー:石原真 磯野久美子
プロデューサー:上野裕平 金森孝宏 菊地友 中根美里 佐渡岳利 ラインプロデューサー:渡辺洋朗
監督補:菅原達郎 河本永 制作担当:宮田陽平 撮影:小暮哲也 岩下力 編集:岩下力
音楽:袴田晃子 熊谷隆宏 塩野恭介
制作:ノース・リバー
制作協力:パレード・トウキョウ
製作:乃木坂46合同会社 東宝 Y&N Brothers NHKエンタープライズ
配給:東宝映像事業部
©2019「DOCUMENTARY of 乃木坂46」製作委員会
2019年7月5日(金)ロードショー
公式HP:https://www.2019-nogizaka46.jp/ 公式ツイッター:https://twitter.com/NGZ_movie2019