「趣味の園芸 やさいの時間」(NHK Eテレ)などで活躍する長沢裕ちゃんの”マイセルフスタイル”をお届け中の連載「ゆうゆうfarm」。
今回は、冷ご飯がメインの具材に変身する「きりたんぽ鍋」に挑戦!
最近は暖かい日もあって、だんだん春が近づいてきていますね。そろそろ鍋料理も食べ収めになりそうですが、今回は鍋シリーズのラスト。第4弾はお腹にしっかりたまる「きりたんぽ鍋」です。
”きりたんぽ”は、ごはんを軽く潰して棒状に丸め、炭火などであぶったもの。きりたんぽと一緒に入れるのは鶏肉、ゴボウ、長ネギとしめじなどのきのこ、しらたきなどのこんにゃくが基本だそうです。ほかに大根やニンジン、豆腐などを入れてもいいみたいです。そして忘れてはいけないのがこの”セリ”! お正月の七草がゆとかでも食べますよね。さっと水洗いしてザクザク刻むと、とってもいい香りがするんですよ。
煮えにくい素材からお鍋に入れて、鶏スープで煮込んでいきます。味付けは醤油とみりんを使ってすっきりした味にしてみました。準備ができたら一度火にかけて、ゴボウが柔らかくなったらきりたんぽを入れま~す♪ お米なので入れてからは鍋の中の水分をたくさん吸いますし、焦げやすくなるから、少し火加減に注意して、もう一度沸騰するのを待ちます。
う~ん、いい香り!! お鍋が”ふつふつ”といい出すと、部屋中に鶏+お醤油のスープの香りが広がっていきます。待っているこの時間がたまりません! お腹がすいちゃいますね~!! スタッフさんたちも「めっちゃいい匂い!」ってお腹を鳴らしていました(笑)。
弱火にして、そのまま5分くらい。きりたんぽがおいしいスープを吸って柔らかい状態になったら、もうすぐにでも食べられる状態です。ここでセリをふんわりお鍋の上に載せます。蓋をして火を止めたらすこし蒸らします。火にかけなくても、余熱で十分セリには熱が通ります。さあ、この間にお箸と小鉢を準備しなくちゃ!
出来上がりました! お鍋の蓋をとったら、ふわ~んとセリのいい香りが!! 嗅ぎなれた長ネギなどとは違う、もっと青~い感じの香りです。三つ葉とか香菜とかみたいにちょっと癖があるんですけど、これがいいんですよ! そしてゴボウの癖のあるけど、なんだか懐かしくなるような香りもしています。「ああ、和食!」って感じがしますね。
では、いただきま〜す! ほら、見てください。きりたんぽがスープを吸って、ふにゃっとなっていますよ。おいしそ~う!
でも、きりたんぽって、冷ごはんにひと手間かけただけで、お鍋の立派なメイン具材になっちゃうのがすごくないですか? お鍋の締めに食べるおじやともまた違って、歯ごたえがあってとろとろしすぎていないし。不思議な食感も愉しいです。……お米なのでお腹もいっぱいになりますしね(笑)。
きりたんぽは、福島の実家にいたときに、スーパーで売っているのを醤油味のお鍋に数回くらい入れて食べたことがありますが、一般的なきりたんぽ鍋は、ほとんど初めてでした。
鶏肉のスープにゴロゴロと鶏肉やゴボウが入っていて、とにかくスープのうまみが濃いんです。味が濃いという意味ではなくて、うまみ、滋味っていうのかな。シンプルなお鍋なのに、とっても食べごたえがありました。
でも今日、お鍋の食材にセリを入れてよかったな~。そういえば、長沢家のお雑煮にもセリを入れるんですよ。珍しいのかな? うちのお雑煮は、お醤油ベースのお吸い物に大根、ニンジン、豚肉とお餅が入っています。そして祖母が畑で作っているセリ。だからセリは私にとって、お正月の香りなんです。今日、材料を準備している時、セリを刻んでいたら、その香りでお雑煮の事を思い出しました。
う~ん、お腹いっぱい。おいしかった~! この冬は「長沢家の芋煮鍋」、「寄せ鍋」、「蟹すき」、「きりたんぽ鍋」と4回お鍋の企画をやりましたが、全部おいしかった♪ 一番思い入れが深いのは1回目の「芋煮鍋」かな。やっぱり実家の味なのと、山形県のそれとは違って醤油味ではなくて福島県は味噌味だということがポイントでした。
それから食べごたえという点で選んだら、今回のきりたんぽ鍋かな。もちろん、蟹やお魚の海鮮系も大好きだけど、お米を使っているきりたんぽのボリュームは、さすがに「お腹いっぱい食べた~!」って感じでした。
お鍋って、料理をあまりつくらない人にとっては材料を準備するのがちょっと手間ですけど、味付けだって、今はおいしいスープの素などがたくさん売っていて簡単。しかも調理は煮込むだけなので意外と簡単な料理なんです。皆さんも良かったら、私みたいにいろいろ食べ比べてみてくださいね。きっと友だちや家族と、小さめのお鍋で2種類くらい同時に作ると、盛り上がっておもしろいかもしれませんよ!
⚫︎PROFILE
長沢裕(ながさわ ゆう)
’93・11・23福島県出身。射手座。A型。
「趣味の園芸 やさいの時間」(毎週日 前8・00〜8・24 NHK Eテレ)
オフィシャルブログ<http://ameblo.jp/yu-nagasawa/>