葵うたのweb連載【葵色日記】#48 25歳の夏休み

先月の4日、25歳の誕生日を迎えました。
誕生日は感謝の日。
お仕事でお世話になっている方々、家族、友人、応援してくれている皆様、いつも支えてくださり、ありがとうございます。
毎年、健康と飛躍を願っています。
25歳も豊かな時間を積み重ねられますように。

見栄を張って、自分に足りない部分をその都度埋めるようにがんばってきました。
それがだんだん「今の私はこれです」と、肩の力を抜いて生きていけたらなと思います。
努力は惜しまずに、ケロッと自分自身の気持ちや人生が手のひらに乗るように。

よく「腹八分目」と言うけれど、色々なことをそのくらいで、心に余裕を持っていたいとこの頃思います。
豊かさとはそういった心のスペースを持つこと。

何かと「地に足をつける」を意識してきましたが、これからは「つけた足でどう根を張っていくか」ということも大切にしていきたいです。

7月の頭から30度を超える日が続いていて、夏を満喫しています。

「星」
誕生日に、夏の夜空を見ました。
その日は快晴で、頭上に天の川が。
無数の星が怖いぐらいに鮮明に見えました。
星なんて今まで興味なかったけれど、この日、好きなものリストに「イルカ座」が加わる。

「海」
海は得体が知れなくて怖いから、出来るだけ浮き輪を。
海の楽しみ方、難しい。

海水浴と森林浴。
ゴツゴツした岩場をよく見ると、たくさんの生き物のお家があって、邪魔しないようにジーっと観察。
この日は勇気を出して、海に飛び込んだりしてみました。

海に行くと、映画「千と千尋の神隠し」の主題歌で、木村弓さんが歌う「いつも何度でも」が頭に浮かびます。
_______

海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから
_____

という歌詞が特に好きです。
全部好きだけど。

「花火」
昔、祖母から譲り受けた浴衣。
浴衣姿で、歳をとったなと実感。
走り回って、帰り道に着崩れることもなくなりました。

今年は地方の花火大会に行きました。
地元の人たちが行くような、そんな花火大会。
打ち上げ場の近くで見ることができたので、今にも火花が降りかかってきそうな、大きな花火の迫力に感動しました。

一つ一つゆっくりと上がる花火。
ドンッと胸に響く破裂音。
花火が広がり、ジリジリと散っていく音。
「わー!」と一斉に上がる歓声と拍手の音。
屋台の人も、警備の人もお客さんも、会場にいるみんなが同じ空を見上げていて、花火の光でその表情が照らされる。

花火の演目の節目で、アナウンスが入ります。
企業からの日々の感謝や、5歳の誕生日のお祝い、「二人で空の上からゆっくり花火を見てね」といった両親へのメッセージなど。
誰かから誰かへの、想いが込められた花火はとても綺麗でした。

「祭り」
神社のお祭りにも行きました。
テントの下で町内会のおじいちゃんおばあちゃんがうちわを扇ぎながら談笑。
大人たちが屋台を切り盛りし、そこで先輩が働いていたり、子供たちが走り回っていたり。

代々受け継がれていく行事。
神仏や先祖を祀り、感謝し、日々を労い、繁栄を願う。
もうしばらく祭りでは端っこの石畳みに腰掛け、ビールを飲んで太鼓の音に体を揺らし、その光景を眺めているばかりの楽しみ方です。

その地域の方々のお祭りで、私は引っ越して来たばかりなのでちょっとお邪魔している感覚でした。
上京してからはそんな感じ。
部外者とは言わないけど、その距離感でしかいられなくて少し寂しかったりします。
ここしばらく、地元のお祭りに行っていない。

私のすぐ横、すれすれを走り抜ける子供たちが、愛らしくて、どこか羨ましい。

少し早めに家に帰って、窓を開けると、夜風に乗って祭囃子が微かに聞こえてきました。

これはこれで粋だなぁと。

街があって、家があって、人がいて。
それぞれに生活がある。

たくさん移動しながら、変わっていく風景の中で、私も精一杯生きて、居場所を見つけていきたいです。

【毎連載恒例のオススメの一冊】


「旅のつばくろ」著者/沢木耕太郎

葵うたの aoi utano
’99・7・4埼玉県出身。蟹座。B型。
俳優・タレント。ドラマ「ガールガンレディ」、「パリピ孔明」などの出演経験があり、アニメ「Artiswitch」では主人公の声優を担当。長編映画「タイムマシンガール」で主演の星野可子役を演じる。TBSドラマストリーム「さっちゃん、僕は。」に山田彩花役で出演。

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