<ネタバレ注意>僕が見たかった青空、初めての全国ツアーを見て感じたこと。

僕が見たかった青空が初めての全国ツアーをスタートさせた。3月22日(土)の東京・KANDA SQUARE HALLを皮切りに、結成2周年記念を兼ねたファイナルとなる6月15日(日)のZepp DiverCity(TOKYO)まで全国6カ所8会場を巡回していく。これまで常に課題を掲げながらライブを重ね、レッスンにも多くの時間を費やし、シングルごとに新たな挑戦を試みてきた23人。パフォーマンスということに並々ならぬ力を入れてきたグループなだけに、念願だった初の全国ツアーへの意気込みは相当なものだ。

これまでの努力と成長を全てをぶつけるとともに、これまで以上にパワーアップした姿を見せるべく、年が明けてすぐ、メンバーたちはツアーに向けた合宿に入った。ダンス&ボーカルレッスンでは、踊りながら歌うことを、演技レッスンでは、歌詞や詩を読み解いてそれを体で表現することを重点的に指導された。現状の問題点も個々に厳しく指摘され、自分が今、何に向き合わなければならいのかをメンバーそれぞれが思い知った時間にもなった。それは総じて、自分自身と深く向き合うこと、そしてそこから見えてくる自分らしさをつかまえることが求められていた。それはなんのためにか? 楽曲の世界観を解釈して、それを人に伝えていくために一人ひとりが“表現者”でなければならないからだ。

多くのメンバーにとってこの合宿は、おそらくターニングポイントになっている。合宿で彼女たちに何が起きたのか──。公式YouTubeチャンネルにアップされている合宿のドキュメント映像、また、ツアーパンフレットに詳しいので、ぜひそちらもご覧いただきたい。

僕が見たかった青空オフィシャルYouTubeチャンネルより

僕青はこれまでも、この合宿でも、ステージに立つパフォーマーとして至極真っ当な努力を日夜続けてきた。だから、ライブのたびに明らかに成長している姿を感じさせてもくれた。初となる全国ツアーでは“表現者”としての自覚も持った彼女たちが、どのようなステージを繰り広げていくのか、大いに期待していいだろう。3月22日(土)に東京・KANDA SQUARE HALLで行われたツアー初日、昼の部と夜の部の両方を私は見てきたが、実際、読者の皆さまには「大いに期待していい」とお伝えさせていただきたい。

初日公演を見て感じたのは、今まで以上に生々しいというか、ライブらしいライブだったというか、ライブの醍醐味が詰まっていたと思う。音源やMVでは味わえない今の気持ちが乗った、その時だけの歌、その時一回切りのダンスの迫力があった。一人ひとりが楽曲の世界観に入り込んで、楽しさや悲しみ、嬉しさ、戸惑い、憤り、そうした感情が表情からも伝わってきた。どの曲でもどのMCでも伝えようとする気持ちが客席に向かって前面に溢れていた。それが真っすぐに胸に響いてきたし、素直に感動を覚えた。アイドルとしての笑顔、明るさ、かわいらしさなどは当然持ちながら、“表現者”でもあるという意識がグループ全体に行き渡っていたように思う。とりもなおさず、合宿の成果を感じることができた。

また、ミュージカルや演劇的な演出、ダンスインター、楽器演奏、小道具を使ってのダンスなど、これまでのライブで培ってきたものが集大成的にセットリストに組み込まれて、1曲1曲を披露するだけにとどまらない今回のツアーならではの大きな見どころとなっていた。

オープニングからしても、そうだった。全5作のシングルでメインメンバー(センター)を務める八木仁愛がステージの右端にスポットライトを浴びて一人登場すると、感情を込めたモノローグが始まる。「さあ、青春を始めよう!」と締めくくると、入れ替わりに安納蒼衣がステージに。中央に立った安納は、マーチングバンドのようにスネアドラムを身体に装着している。「僕青祭」(’24年10月13日に昭和女子大学人見記念講堂にて開催)でもドラム演奏を披露したが、経験者ということもあって、かなりの腕前を見せた。その時はほかのメンバーとチームを組んでの演奏だったが、今回はソロ。しかも、バチを宙に投げてキャッチするなど、より難易度の高い演奏に挑戦していた。見ているこちらもバチを落とさないかとハラハラしつつ、安納が刻むドラムのリズムが激しくなっていくとともに、「ここからどうなっていくんだろう」というライブへの期待値もどんどん高まっていった。そこへ青空組(選抜)のメンバーもステージに駆け込んできて、安納を中心に囲い、その演奏に合わせてダンスパフォーマンスを繰り広げる。客席が盛り上がらないわけがない。そのダンスを見ただけで、強さというか、一体感というか、何か今までとは違うものをまとったメンバーがステージに立っているように感じた。

そして、このダンスパフォーマンスからそのまま流れるように5thシングルの表題曲「恋は倍速」を青空組が、カップリングの「青春の旅人よ」を雲組(非選抜)が披露。曲の雰囲気に違いはあれど、どちらも素晴らしいパフォーマンスだった。

僕が見たかった青空公式YouTubeチャンネルより

新しい試みがなされたオープニングのほかにも、見どころはいろいろあった。青空組が傘を、雲組が布地を使用したダンスインターもそう。合宿で振り入れをして、最終日に発表したそのダンスインターをよりブラッシュアップして初披露した。当然、合宿で学んだことが反映されており、メンバーが歌詞のない曲を、音だけを頼りにいかにイメージし、それを身体と小道具でいかに表現しているか注目してほしい。ダンスインターから青空組は「卒業まで」、雲組は「君のための歌」につなげていったが、そのつなぎ方、フォーメーションの移動が滑らかで美しかったことも書き加えておきたい。

5thシングル「恋は倍速」に収録されたユニット曲2曲も初披露となった。「キッシュ・ラブ」はこれまでの僕青にはないアイドルらしいナンバーで、安納蒼衣、金澤亜美、工藤唯愛という僕青の中でもかわいらしいルックスの3人が、かわいらしい振り付けで、かわいらしいパフォーマンスを披露した。それとは真逆のかっこよさがある「臆病なカラス」は杉浦英恋、早﨑すずき、持永真奈、八木仁愛、吉本此那からなるユニットで、パフォーマンス力の高いメンバーが集まっていた。歌詞の世界観に沿った力強いダンス、冷たく硬質な歌唱。ミニマムな人数だけに、よりパフォーマンスの良さが際立って、とても見応えがあった。

青空組、雲組、ユニットの曲のほかに、もちろん全員曲も披露されている。本編全13曲のうち5曲がそうだ。歌詞に描かれている世界をメンバー23人で具現化していくような僕青ならではの振り付けと構成は、全体を見渡せるライブでこそ見てほしい。圧巻の群舞でありながら、合宿を経て一人ひとりの意識が高まったせいか、以前よりも感情に溢れ、繊細さのある歌とダンスと表情を見ることができたように思う。

八木がダンスで見せる表現力が唯一無二であることは、もはや周知の事実だが、ここに来て歌唱が目覚ましく成長を遂げている。何より声量が見違えた。今回のツアーに訪れれば、その変化にすぐ気が付くはずだ。また、雲組のメインメンバーを3作連続で務めている杉浦の成長も著しかった。以前からダンスも歌も長けていたが、そこに目を引く表現力が加わった。闇を打ち払うような強さが八木の表現にはあるが、杉浦はそれとはまた違っていて、エモーショナルというのか、感情の赴くままに身を委ねているような儚さがあって、目を離せなくなる。「臆病なカラス」も良かったが、夜の部のみで披露された雲組曲「涙を流そう」での杉浦は特に圧巻だった。

随時設けられていたMCでは気迫のこもったパフォーマンスとは打って変わって、陽気なメンバーたちの姿があった。MCもこれまで以上に充実していたように感じた。停滞したり、よどむような時間はなく、ハキハキと小気味よくトークが弾んでいた。仕切りもできれば、話題を広げることもできるし、笑いも作れる須永心海の存在はMCにおいて、とても大きい。

初日公演を見ての全体的な感想は、すでに本記事の初めの方で述べたが、今一度繰り返させていただくと、「今まで以上に生々しいというか、ライブらしいライブだったというか、ライブの醍醐味が詰まっていた」と思った。その「醍醐味」について、さきほどは書かなかったことがある。それは“余白”をこの初日公演で感じた、という点だ。これから公演を重ねていくたびに、さらにパフォーマンスが向上していくであろう余白が残されていた。合宿で「踊りながら歌うこと」「表現力」が強化され、皆がむしゃらに練習してきたとはいえ、上達の度合いに個人差があることは致し方ない。初日公演では特に歌唱の際の声量に差が出ていたように思う。そういうところも含めて、ライブならではの醍醐味があった。

メンバーたちが成長していくことで、そうした余白が徐々に埋まっていく様を見届けるのも、初の全国ツアーの楽しみ方の一つだと思っている。まだ結成して2年も経っていないグループの、ライブごとに着実に成長を遂げている僕青の、今だけの、今しか見られない楽しみ方でもある。

撮影=田中健児
取材・文=小畠良一

<次ページ:3月22日開【東京・KANDA SQUARE HALL公演】PHOTO GALLERY>

★「僕が見たかった青空 全国ツアー2025」スケジュール★

3月22日(土) 東京・KANDA SQUARE HALL

3月23日(日) 広島・BLUELIVE HIROSHIMA

3月30日(日) 宮城・仙台PIT

4月6日(日) 大阪・GORILLA HALL OSAKA

4月19日(土) 福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオ

4月26日(土) 東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)

4月27日(日) 愛知・DIAMOND HALL

6月15日(日) 東京・Zepp DiverCity (TOKYO)

詳細は>>https://bokuao.com/feature/tour_2025

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