かすみ草とステラのメンバー・もえなすこと渡辺萌菜がB.L.T.webで新連載をスタート。その名も、「もえなす偶像研究室!」。研究室長のもえなすが気になったBeautiful Ladyに、直接気になったことや知りたいことをインタビューする企画です。さらに、カメラを得意とするもえなすがそのBeautiful Ladyを綺麗に可愛く撮り下ろします!
もえなすが研究する2人目のBeautiful Ladyは、明日12/27(金)にTOKYODOME CITY HALLでグループ活動休止という節目を迎えるDevil ANTHEM. 竹越くるみ!
渡辺:私、スピリチュアルとかではなくて、初めて会った時にこの人がすごい人だってなんとなくビビってくるんですよ! そのすごい人の一人がくるみちゃんでした。今日はそんなくるみちゃんのことを色々聞かせてください!
竹越:うれしい! ありがとうございます! よろしくお願いします。
渡辺:緊張する! 早速、変なことを聞くんですけど、中学生とか高校生の時はクラスでどういう感じの子だったんですか?
竹越:結構にぎやかな子たちのグループ にいました。中学校の時に上京してきたんですけど、風の噂で私が芸能活動しているのを聞いたことある子たちがたくさんいた中で入学したので、わちゃわちゃした子たちが早速すぐに話しかけてきてくれて……。 中学校や高校って、そういう一番最初に話した子とずっとグループで一緒にいるみたいなことがよくあるじゃないですか! だから、その子たちとずっといたんですけど、時には休み時間に本を読んでいたり、図書室に行ったりするような子でした。それこそ仲の良い子と同じクラスになったらはっちゃけられるんですけど、仲の良い子が1人もいないクラスに入れられてしまって無理に仲良くなりたい子がいない時は、休み時間は本を読んだり、図書室に逃げたり、学校内をぶらぶらしたりするような子でした。少し変わった子だったかもしれないです。心を開いてる子と一緒にいる時は、めちゃくちゃいい感じなんですけど、 自分の軸は割と1人が好きですね。私も直感でこの子いい子だなっていうのが分かるんですけど、 それこそ好きになるアイドルさんとか、話しかけたいなと思うアイドルさんは、みんなやっぱり揃って真面目で、すごい感心するところがあって、とてもいい子ばかりなので、自分の“人センサー”ってやっぱ間違ってないんだなって思います。それこそ萌菜ちゃんも天使みたいな子だなっていうのを、今日一緒にお仕事しながら思いました! 言い方は悪いかもしれないけど、害がないなって思った相手にしか心を開けないので、逆に心を開いた子にはわちゃわちゃできるんですけど、家にこもったりする時もあるみたいな、少し変わったタイプですね。
渡辺:ちゃんと自分の直感センサーや、自分というものがあったりするんですね?
竹越:そうですね! やっぱり直感でこの人今、私のことを軽く見ているなって、分かるじゃないですか! そういう子と一緒にいると、自分も人のことを軽く見てしまいそうになったりするから……。自分に恥ずかしくない自分でいたいっていうのが一番軸にあるので、この子と一緒にいる私が好きって子以外は、そもそも近付きたいと思わないので、あの子に喋りかけられたけど、別にそんな好きじゃないからいいやみたいな感じのことがあります。
渡辺:この人と関わってみようとか、このタイミングで踏み出してみようみたいな自分の基準を考えてるタイプだと思うんですけど、 こういう芸能界に入るって決めたきっかけはあったりしますか?
竹越:そもそも芸能界に憧れた理由が、小学校1年生ぐらいの時にお母さんが読者モデルに応募して、雑誌の撮影みたいなことをさせてもらった時があって、 それをきっかけにモデルさんがをやってみたくなりました。でもずっと、大阪に住んでいてスカウトされる事が難しかったので、小学校4年生の時にお母さんとスカウトされに行こうって東京に2泊3日で行って、その3日目の時に今の事務所の方にスカウトしてもらって、 事務所に入りしました。でも、大阪に住んでいたのでそこから2年間はお仕事がなくて……。そんな時に入ってきた話が“Devil ANTHEM.(デビアン)”の話で。「アイドルグループを作るのでオーディションを受けませんか?」って言われたのがきっかけで飛び込んだ世界だったんですけど、たまたま入った“デビアン”がとってもいい場所だったから、今も続けられています。たとえば、プロデューサーさんがすごいめちゃくちゃな人で、メンバーもやばくて……みたいな感じの世界だったら、逃げてたかもっていうのは思います。あと、今だから話せる話かもしれないですが、私、オーディションで落ちるはずだったらしくて……。最終オーディションの時に、歌詞も立ち位置も振りもめっちゃ間違えてしまって。だけど笑顔でやりすごしてたんですよ! そしたら、そういうハプニングに対応できるのはすごいっていうことで、グループに入れてもらえることになったんですけど、その時、本当に能天気で良かったって思いました。能天気なところをその時は拾ってもらえたと思うので、本当に今いるのが奇跡なんです!
渡辺:その時は、ダンスも歌も未経験だったんですか?
竹越:ダンスも歌もできなくていいから、1回オーディション受けてくださいって言われて受けたんですけど、最後のオーディションで合格したメンバーはみんなダンス経験者の子が多かったので、やっぱり基礎はできてた方が良かったのかなって思ったんですけど、入れて良かったです!
渡辺:本当にそうですよね。でもハプニングがあった時に、こうやって笑って対応できたりするのって、技術とかではなくて持ってるものじゃないですか!
竹越:本当にその時ガキっぷりが出ました! その時ガキで良かった!
渡辺:おもしろい! 最初、アイドルが好きな気持ちとかはあったんですか?
竹越:その時は全くなくて……。将来の夢が、宇宙飛行士になるか、モデルさんになるかみたいな感じでした。宇宙飛行士になりたかった理由が、小学校の時によく1人で図書室にいたんですけど、宇宙図鑑をずっと読んでて、宇宙飛行士になりたいなって思って。でも調べてみると宇宙飛行士ってなれる確率がやばいじゃないですか。あと、虫歯があるとそもそも審査に通らないみたいなことを聞いて、その時私は歯医者に行くのが嫌いだったんで、「じゃあモデルになろう」みたいな、本当単純にそれだけの気持ちで、芸能事務所入りたい! と思ったので、誰になりたいみたいな理想像があったわけでもなくて、漠然とした何かになれたらいいなみたいな気持ちでした。
渡辺:今は自分がアイドルの立場になりましたが、アイドルは好きなんですか?
竹越:アイドルになってからは、アイドルの素晴らしさを知ったので、今はめちゃくちゃ他のアイドルを見るようになりましたね。例えばモーニング娘。さんが好きで入ってきた子の影響を受けて、めっちゃモー娘。さんを聞いたり、ライブ映像を見て元気をもらったりしてます。やっぱり今は、YouTubeになんでも上がってるから、自分がファンになる機会も多くて、たくさん見るようになりました。
渡辺:アイドルを始めてから今に至る中で、長い期間だと思うんですけど、アイドルとしてのこだわりが生まれたり、熱が上がったタイミングってあったんですか?
竹越:割と最初の2年間くらいは最年少だったんですよ! だから お姉さんメンバーについていくような感じでした。お姉さんって言っても1個上と2個上しかいなかったんですけど、私の中で誰々に負けたくないとかではなくて、ただ背中を追いかけていたいみたいなところがあって、プロデューサーさんに言われたことをがむしゃらに全部やってたんですよ。大きい声を出すとか大きく踊るとか笑うとか、そういうことをちゃんとやるようにしていたら、気付いたら歌割りがもらえるようになって。これも今だから言える話なんですけど、ほかのメンバーの中から私に対していろんな気持ちが芽生えてくるようになって……。でも自分ががんばって手に入れたものだから、ほかのメンバーには絶対負けない! という気持ちがその辺りで生まれてきました。その後、年下メンバーが入ってきて、この子たちには良きお姉さんみたいな顔をしなきゃ! っていう気持ちが生まれてきました。そこからはアイドルを続けるのみだったんですが、2、3年前ぐらいに、これ以上ないくらいのスランプが来てしまい、もう絶対アイドルやめてやるって思うくらい、しんどくなった時期もあって。歌もうまく歌えないし、ダンスも苦手なのにさらに下手になってしまうし、何をやってもうまくいかないタイミングがあって、 特典会の時も、他のメンバーがすごいファンの人が並んでいるのに、私の列はすぐに終わってしまう日もあって、つらくなってしまったりもしました。でも、そこで諦めずにがんばったことが最近身になった感覚があります。だから、活動してきた10年のことをよく聞かれるんですが、あんまり過去のことを覚えてなくて……。2年前ぐらいの、一番つらい時期を乗り越えて身になった今が、一番アイドルになって良かったなって心から思えています。やっと咲いたじゃないですけど、下積みがそれこそ9年ぐらいあった感覚です。自分なりたい自分と、人から見られている自分とが一致した感じが、今年ぐらいにやっと出てきて、 あの時がんばって良かったなって改めて思っています。アイドルに対してずっと真剣ではいたけど、アイドルという仕事と、アイドルをやっている時が好きっていう自分の感情を、合致させられたが本当に最近のことでした。
渡辺:すごい……。いろんなインタビューを拝読していたら、軌道に乗れないみたいな期間が長かったから、というコメントが印象的で……。歌とかダンスとかも分からないまま、アイドルグループに入って挑戦し続けることは、私だったら考えられなくて!
竹越:みんなが学校で勉強に対して真剣に取り組んでいる時に、私はたまたまデビアンをがんばっていた、みたいな感覚。みんなが中学高校でがんばって勉強して、大学受験で行きたい大学に入って、知りたいことを勉強できて進みたいところに就職できて、みたいな過程が全部Devil ANTHEM.だったみたいな感じ。逆に私がみんなと同じ普通の人生を歩むとしたら、多分中学校でリタイアしていると思っているので、ここで拾ってもらえて本当に良かったなって思っています。
渡辺:もしかして、すごく自分に求めるものが高いですか?
竹越:高いです!
渡辺:負けず嫌いなんだろうなってよく思うんですが、そんな自分がうまくいかずに折れるタイミングって、 普通の人が折れるよりも何倍もつらいと思ってます。折れ方がおそらく尋常じゃないから、気持ちを立て直すのに時間もたくさんかかったと思うんですけど、どうやって負けずに上がってこれたんですか?
竹越:そういう時期も、ファンクラブのメールとか自分の気持ちを投稿できる場所が常にあって、野望とか今しんどい時期ってこととか、自分のナチュラルな気持ちを全部発信してたんですよ! ブログもそうですけど、発信することをめちゃくちゃやっていて、そういうところがいいね! ってファンの人に言われていたんです。でもかなり落ちてしまった時は、それすらもなんか言えなくなって……。軌道に乗り始めた頃、「今、デビアン来てるね」ってよく言われるのに、ふたを開けてみたら、そうでもなくない? って思われてしまうのが、めっちゃ怖くて。その時は、嘘はついてないけど、自分の表面上の笑顔だけ作って伝えていたみたいなところはありました。でも、2年前の夏が終わったぐらいの時、「実はすごくつらかった! あの時、心配かけたかもしれない。笑えない時もあったし、全てがうまくいかなかった」みたいな気持ちを打ち明けてみたら、結構気付いてた人が多かったんですよ! 私のファンの人で「がんばっているのを見ていたから、わざわざ言うことでもないなと思って言わなかったけど、気付いてたよ!」みたいなことを話してくれる人が何人かいて、そういうところに私は救われたんですよね。良くない自分は受け入れてもらえないと思っていたから、良くない自分も受け入れてくれるんだっていう安心感がきっかけでした。結果的に落ちていても落ちていなくても、客観的に100%できているように見えてればいいんだっていうのに気付きました。私自身、常に150%で生きてないとダメだと思っていたんですが、周囲の人に70%でも150%でも人から100%に見えていれば、それは一緒だからいいんだよって言われて。今までのアイドル人生を全部がんばりすぎてたところがあったので、その時から少しだけがんばるのをやめたんですよ。そこからは気持ちがめっちゃ楽になりました。アイドルって急にライブに出演することになったりとか、急に特典会に行くよ! というようなことが多いじゃないですか! ルーティーンが決まりすぎていると、心が乱れるということに気付いて、がんばることだったり、背負いすぎるのもやめようって思いました。そうすると、すごく楽になって、今年になってからはやっとそんな自分を受け入れられるようになりました。がんばれない自分が嫌いだったから、がんばれない自分を受け入れる練習をすることで、物事がうまくいくようになりましたね。
渡辺:すごい! ブログやインタビュー、S N Sを見ていたら、出会ったタイミングが異なるファンの方にメッセージ送ったりしていて、読んでいて言葉がスッて入ってくるので、「言葉にするのが 得意なのかな? 言葉に熱がある方だな」って思っていて、色々な人に気持ちを出してることがすごいなって思っていたから、そんなくるみちゃんでもそういうタイミングがあったんだって思いました。私は、まだアイドルを初めて3年しか経っていないんですけど、今年色々背負いすぎて勝手に崩れちゃったタイミングがあって、その時までは自分が感じてることをそのまま出していくことが楽しかったし、気兼ねなく出してたんですけど、そうなってからは、変に気を使ってしまって……。
竹越:分かります! 不特定多数に見られることを書いていいのかな? とか、求められてる私はきっとこうなのに! とか思うことはたくさんありますよね。
渡辺:そうなんです……。出せなくなっちゃったんですよ! 出せてもすごく当たり障りない表面部分だけだったり。今日の話を聞いていたら、そういうことを、私を応援してくれてる人はお見通しなのかなって思ったりもしています。試練があった時の自分に今かけてあげたい言葉ってありますか?
竹越:あの時は本当にすごいつらかったんですけど、あの時がなかったら今の何でも叶えられる私は多分いないから、やっぱりつらいことは経験した方がいいんじゃないのかなと思います。そういう時期って、絶対みんなあるはず! その時は、18歳とか19歳だったんで、やっぱり悩むよねっていう年齢じゃないですか? 今考えたら、大事な時期にみんなが歩む人生の通り悩んでいる私は可愛いねって思います。その時は本当につらかっただろうけど、その時の私がいるから今の私があるのでぜひ悩んでもらって! って思います。
渡辺:最近、自分がなりたい自分と見られたい自分が一致してきたってっておっしゃってたと思うんですが、それってどんな像なんでしょう?
竹越:理想の私は、誰に対しても恥ずかしくない私というか、自分が正しい道を歩んでいるっていう自信をもとに歩きたいと思っています。私、自分に嘘をつかない自分でありたくて、思ってることも喋ることも全部心の底から本当のことしか言いたくないので、「楽しいよ!」って自分が言ってる時は、「くるみちゃんは本当に楽しいのかな……?」って思われるよりは、「楽しいんだね!」って思ってもらいたいし、そのことをなんとか伝えたいと思ってます。「ファンのみんなが好きなんだよ!」っていう言葉も、「ほんとに好きなんだよ」ってことが伝わっていてほしいので、信じてもらえるような実績を積んで行きたいです。嘘じゃないけど、表面上の言葉だけを話していた時には、それを信じてくれているファンの人に嘘をついているような気持ちもあったから、「楽しい!」って言ってる自分を「くるみちゃんが楽しそうで楽しい!」って素直に信じてくれるファンの方がいるこの今が、すごく心地いい感じですね!
渡辺:すごい分かる気がします! それが自分のなりたいアイドル像だなってめっちゃ思います。
竹越:言い方が難しいけど、やっぱいろんなアイドルさんがいるから、正解ってみんなそれぞれ。 私がとやかく言うことではないけれど、私はせめて本音を語れるアイドルでいたいなと思っています。実は今、喘息でしんどい時期なんですけど、「上手に歌えないけど、今つらいからこそがんばっていればきっと喘息が治まった時に 200%パワーアップしてる気がするから、待っててね!」って皆さんに話しているんですけど、そういう自分のつらいことも全部ポジティブに変換できるようになったし、それをポジティブに捉えてくれるファンの人もいる今、すごく恵まれてるなと思います。
渡辺:実は、夏に思っていたことが今すべて、腑に落ちました! 今年の夏のイベント・SPARKで白キャンさんとかグループの並びがすごいタイミングがあったじゃないですか! デビアンさんのステージを見ていた時に、くるみちゃんがイベント会場の覇権を握っていたように思えてキラキラして見えました。自由って言葉がピッタリなくらい自由にアイドルをしているというか、その姿が一瞬にして私の目には主人公に見えたから、「かっこよ!」って思ったり、「なんでくるみちゃんはこんなにキラキラしているし、自由で楽しそうに見えるんだろう?」って思っていたんですけれど、今日話を聞いていたら、そのことが腑に落ちました。
竹越:うれしい! 本当に私、よくいろんな人から「主人公だね!」って言われるんです。「くるみちゃんはジャンプのそれこそ主人公に見える!」「ルフィに見える!」みたいなことをよく言われていて、「それめっちゃなりたい自分だ!」みたいに思っていました。私、全然ヒロインには興味がないんです。ヒロインより主人公がいいなと思うぐらいには、やっぱり自我が強い方と思うんです。だから、そのことをファンの方に言われた時には、そう見えていて良かったってめっちゃ思います。
渡辺:実は、今日聞きたいことをまとめてるノートがあるんですけど、「くるみちゃんはどんな方なんだろう?」って思って、書いたワードの中に“ルフィ”って書いていたんですよ!
竹越:びっくりした!(爆笑)自分、ルフィに見えるんだ! めっちゃおもろい!
渡辺:本当に“ルフィー”だなって思ってました。だから今、“ルフィ”っていうワードが話に出てきた時、びっくりしました。本当にかっこ良かったです!
竹越:ありがとうございます!うれしい!
渡辺:現体制が休止することが決まっている中での今年の夏って今までの夏とは違ったと思うし、私には想像できないような夏だったのかなって思ってたんですけど、意外に思ったぐらい、前向きな熱さを感じてしまって……。グループさんの中ではもちろん、くるみちゃんの中でも、何か想いみたいなものはずっとあったんですか?
竹越:そうですね。でも、夏の時点では、活動休止するっていうことだけしか決まってなかったんです。それこそ体制が変わるのかとか、来年からどういう活動していくのかとか、なんで活動休止するのかなっていうぐらい、何も決まってないままずっと進んでました。だから、私たちは心のどこかでは悩みながらも、基本的にはいつもの夏と変わらない気持ちで過ごしたんですよ! やっぱり夏ってアイドルにとっては、命懸かってるじゃないですか! それこそデビアン結成当初の’15、’16年ぐらいのアイドルを見ていた人たちって、夏で“ドカン”ってする人たちが多かったから。だから、ファンの人たちも「夏に命懸かっているな!」みたいな空気を感じていたんですよ。実際、冬ぐらいから、「来年の夏は楽しみにしてるね!」みたいな熱を感じてしまうんですよ! 念というか、「頼むよ!」みたいな。2年前の夏も、去年の夏も、ちょっと暑さがしんどかったし、そもそも夏がすごく苦手だったりするので、すべてに鈍感になっちゃって、気持ちが落ちてしまうんですよね。でも今年は、頼まれているからやるしかない! 燃えていくしかない! みたいな気持ちだったので、負けないで夏のトラウマを全部解消できました。やっぱりそのきっかけは、ファンの人に念を押されたことです。「期待してるね!」とか「楽しみだね!」とかじゃなくて、春ツアーくらいから「ほんと頼むよ!」「来年も頼むよ!」みたいな感じで言われていたので、「任せといて!」「俺が連れて行くから」みたいな感じでそういう人たちには話していたんですけど、それを有言実行することができて本当に安心しました。自分の口で言っときながら、できなかったらどうしようって正直思っていたんですけど、それこそ“ルフィ”だとして「俺が船を動かしてやる!」みたいな気持ちでした。だから「活動休止するのに熱いね!」って言われたこともあったけど、私たちは「うちら活動休止するみたい!」ぐらいに能天気な受け取り方をしていましたね。
渡辺:今年の夏は今までの夏と違いました?
竹越:そうですね。なんかめちゃくちゃ太陽が熱かったというか、みんなの熱量をいつもの2倍は感じました。自分が、みんなの応援と期待と夏の執念を全部背負いました。だから、本当に毎日が楽しかったです。毎週夏の野外ってめっちゃしんどいんですけど、「もはや焼いていこう!」みたいな感じでした。だからずっと絶え間なく笑っていましたね。「夏がこんな嫌いなのに、自分すごい!」って思いながら、夏を過ごしました!
渡辺:かっこいい。くるみちゃんのファンの方ってなんか 熱い!
竹越:ほんと触ったら火傷する。くらいには熱いです! 私自身、ファンの方と現実で出会っていたら、絶対仲良くなくなっていないけど、Devil ANTHEM.という場所があるから出会った。それって運命じゃないですか! だから、そのことを大切にしたいと思ってます。私はファンの方と人間対人間で接していたくって、 ファンの人の人間性や好きなところを直接たくさん伝えていきたいし、対等でいたいじゃないですけど、そういう気持ちを常に意識して接しているので、私を人間として見てくれて、私の人間として熱い部分を応援してくれるファンの人がどんどん熱くなってくれてるのが分かるので、いい関係を築けてるなっていつも思います。
渡辺:撮影してる時に「ファンの方からどういう感じで見られてるんですか?」って聞いたら「孫のような感じ!」って言ってたから「孫?」って正直思っていたけど、くるみちゃんの話を聞いていると、アイドル像が自分の中でもファンの方との間でもちゃんとあって、それをきちんと貫いている。だから、みんながいい子って思ったり、特典会に行きたい!ってなって、「孫のような感じ!」になるんだろうなって思いました。
竹越:友達だといいところを褒めてくれるんですけど、ファンの方は私の苦手な部分も全部肯定してくれるから、それってもはや娘より孫だなって思います。実は、特典会のチェキの落書きがすっごい苦手なんですよ。私自身、絵より文章の方が得意だから、チェキに文章を書いたりするんですね。ちょっとハート書いて、文章書いて、みたいな感じでチェキを描いていくんですけど、やっぱりアイドルって落書きが醍醐味なとこあるじゃないですか。本当にそれが無理で、がんばろうとしてもできないから、ずっと文章を書いていて……。この前、「くるみってその時の感情の文章書いてくれるから面白いよね! それが好きでよく買っちゃう!」ってファンの方が話してくれていたので、 私の苦手なところも好きになってくれたから、もう全肯定された気持ちになって、すごいうれしかったんです。
渡辺:いいな! 確かに私がファンの方の立場だったら、「アイドルをしている中ですべてに嘘がないのが分かるから、くるみちゃんがこうやってアイドルに向き合っている姿が好き!」になると思うので、ファンの方もそういうチェキの言葉が欲しくなるのかなって思います。
竹越:うれしい! でもほんとに書いている内容は、「今日は何々を食べたよ!」みたいな感じなんですけど(笑)、それを認めてくれて、うれしいなって思います。
渡辺:確かに! でも好きだったら、そのことさえも「自分、知っちゃった!」って思います。ちなみに、今日は何を食べたんですか?
竹越:今日はささみでした。
渡辺:めっちゃ健康!
竹越:少し苦手なんですけど、街中で食べたんで、匂いがしないものを選びました!
渡辺:めっちゃおもしろい!
竹越:本当はからあげクンとか食べたかったんですけどね! ちょっと匂いが強いのでやめました。
渡辺:「だそうです!」ってファンの方に伝えたい! こうやって夏が終わって、今の時期って自分を俯瞰しても見れるし、改めて アイドルを楽しめるじゃないけど、そんな感じがしていて、個人的にはすごい好きな時期なんです。今だからこそファンの人に伝えたいことってありますか?
竹越:なんだろう? 結構、嘘偽りなく全部伝えすぎてしまっていて……。私もすごい感受性が豊かな方で、人に影響されやすいんですけど、私がなんでも負の気持ちさえも全部伝えすぎたせいで、つられて負になっちゃったファンの方もいました。そういう方には、申し訳ないなって思っています。でも、私が今こうやって自分が正しい道を歩めているって思えるのも、デビアンの竹越くるみをやってたこの10年間は、少し恩着せがましいけど、ファンの人のためにやってきたということが一つあって、ファンの人に寄り添えるアイドルになりたかったんですけど、寄り添える規模ってやっぱり限られているじゃないですか! だから、グループの規模的に寄り添えなくなってきたタイミングで、ちょっと違うかなって思い始めてきて。だから私自身が寄り添うんじゃなくて、私の音楽が、寄り添っていけるように努力していきたいなって思ってます。
渡辺:かっこいい! 素敵すぎるなぁ! 最後に、自分の中での今こうしていきたい、みたいなものってありますか?
竹越:そうですね! このアイドルをやった10年間で、歌が好きになったんですね。最初は、歌や音楽にはあまり興味がなかったんですけど、人一倍歌に対する気持ちがすごい強くなってしまって。あと、本を読むのがすごく好きで、自分の気持ちとかモヤモヤした気持ちを言語化するのがすごく好きなので、 作詞をやってみたいなって思っています。でも、本当に自分が素っ裸になるようなことだから、めちゃくちゃ恥ずかしくて、まだ口にも出せてなかったんですけど、なんとなく思っていて……。音楽を好きになれたことは、Devil ANTHEM.からの贈り物だなと思っているので、歌を50年くらい先までずっと歌っていたいし、音楽に携わっていきたい! 私がこうやって日々、歳を取るにつれて思う気持ちを歌詞という形で常に伝え続けたいなって思います。
渡辺:作詞されて完成したらすぐに見てみたいです! 楽しみ!
竹越:でも本当にまだ誰にも言ってないから、まだ手もつけてないし、作詞のやり方も分からないんですけど、一から勉強したいなって思いました。
渡辺:くるみちゃんがさまざまな場所で発信されてる言葉を見ても、どれもスッと入ってくるし、例えばブログも文章を読んでる感覚っていうよりも、読んでるとくるみちゃんの声で再生される感じがいいなって思います。喋っている言葉を聞いているくらいにはスッと入ってくるその等身大な感じが、すごい素敵だなって思ったから、きっとくるみちゃん自身が思うままに発しているものが、素敵なんだろうなって思いました。少しおこがましいんですけど、今日を通して、思っていた以上にくるみちゃんに親近感を感じました。私がこれから進んでいきそうな道の1歩先を行かれてる気がして、うれしくなりました。くるみちゃんが考えていることが楽しいし、かっこいいなって、お話を通して改めて思いました! 写真もインタビューも欲しいものをいただきすぎて、どうやって締めたらいいのか分からないんですよ! でも、今日はすごく胸がいっぱいになりました!
竹越:私も今日喋っていて、物事を“ふるい”にかけてから喋るなぁって思いました!
渡辺:考えちゃうかも。すごい!
竹越:どういう話であっても、相手を傷つけないように喋りますよね!
渡辺:バレてる!
竹越:実は私もそれ、めっちゃやるんですよ。この言い方だと、相手がこうやって受け取る可能性があるからこういう言い方はやめようみたいなことを。“ふるい”にかけて、さらさらになってから渡す、みたいな感じ。そういう感じがしているので、これからもお互い毒されないようにしましょう! めちゃくちゃ丁寧に生きてますよね!
渡辺:丁寧に生きてるのかな?
竹越:すごい伝わってきます。人もそうだし、言葉もそうだし、すべてにもうクロがない感じで。
渡辺:え、本当ですか! でも最近、自分は考えすぎてるかもって思い始めました。
竹越:考えすぎる人って少ないじゃないですか。だから考えない人たちに傷つけられないように生きてほしいです!
渡辺:最近考えすぎてしまって、行動とか言葉が“ふるい”に引っかかっちゃって、でもそこにチャンスとかやるべきことがあった気がしていたので、いつもその“ふるい”に最近考えさせられます。
竹越:なるほど。“ふるい”を1個やめるくらいがいいかも!
渡辺:やめられるのかなぁ。難しい!
竹越:でもそういう考えて話すような、誰一人として置いていかない言葉の数々ってワンマンライブなどでスピーチする時とかにすごい役立つと思います。ワンマンってその時初めてくる人から古参の人までいろいろな人が集まるから、“ふるい”にかけなきゃいけないことばかりなので、やっぱりそれができる子が喋った方がいいと思います。
渡辺:本当に“ふるい”にかけた結果、当たり障りなくなってるかも!? って考えてしまうことが多いので色々自分の中で考え中です。難しいです!
竹越:がんばりましょう!
渡辺:きゅんでした! 今日は、ありがとうございました!
研究室長・もえなすの編集後記!
今回は本当に脳みそが痺れる回でした..!! くるみちゃんの人間性がとても好きだなぁと。尊敬です! そうだ、ひとつうれしかったことがあって。お写真を撮らせて頂いている時、くるみちゃんに「やっぱり自分を好きでいてくれる人の写真って見たらわかる!」と言われて。あまりにもうれしすぎて! もっともっと、撮る人の良さを見抜いてそれを写真という形にできる、そんな人になりたいなと思いました! 日々成長! 次回もお楽しみに!
撮影:渡辺萌菜 インタビュー:渡辺萌菜