2023年2月にプレデビューし、同年7月に本格デビューを果たした、雑誌が大好きな船井美玖と宇都宮未来の2人=月刊PAMが、あらゆる「編集」をコンセプトに、定期ライブのゲストとのトークなどに挑戦する本連載。第10回は、特別編として7月6日に東京・下北沢MOSAiCで開催された宇都宮未来生誕ワンマンライブをレポート!
ライブ当日の東京は、曇天ながらも気温が34℃を超える真夏日。開場前の時間帯には、突然の雷雨に見舞われた。それでも、会場の下北沢MOSAiCには超満員のファンが集った。
ライブのオープニングを飾るのは、「スマイルスマイルスマイル」。月刊PAMの楽曲の中でも特にハッピーでポジティブなナンバーで、一気に会場を笑顔にしていく。続く「春の夜に月と泳ぐ」では、美しく繊細なメロディを丁寧に歌い紡いでいく。3曲目は、「くゆりゆく」。そしてそのまま、おやすみホログラムのカバー「Drifter」を披露し、4曲4様の曲調で多彩なボーカル表現を聴かせてくれた。
その後、最初のMCではいったん船井がステージからはけ、宇都宮1人が残る。宇都宮は、ファンからの「21歳の抱負は?」の声に、「抱負を聞かれても、答えない人生だったから」とらしくかわし、会場を笑いで包む。すると、デビューライブ時の宇都宮の衣装に着替えた船井が、ステージに戻ってきた。「ちょっとだけ歌が下手な宇都宮未来だと思ってもらえらば(笑)」と話した船井は、「今、この楽しい瞬間が終わらないように歌いたいと思います!」と前振りし、「くゆりゆく」の作者であるヤマモトショウが在籍したバンド・ふぇのたすの「今夜がおわらない」をカバー。この日の主役である宇都宮が、小学生時代からずっと好きでい続けているグループの楽曲のカバーに、船井の相方への思いが感じられる。その後、ピンクの生誕ドレスに着替えた宇都宮がステージに戻り、船井とバトンタッチ。ソロで松浦亜弥の「LOVE涙色」、椎名林檎の「幸福論」、NMB48の「僕らのユリイカ」と異なるタイプの3曲をカバーし、ボーカリストとしての確かな力量と自身が好きな音楽への愛を届けてくれた。
宇都宮が3曲を歌い終えると、船井がステージに戻る。すると、船井の「見てもらいたいものがあります!」という声を合図に、「colors」のインストゥルメンタルに乗せて、この1年の活動を振り返る映像が流れてきた。そこから船井や同じ事務所の頓知気さきな、マネージャーら、宇都宮を普段から支える仲間たちから、愛と笑いにあふれたお祝いメッセージが流れる(宇都宮いわく、「茶番(笑)」)。最後のメッセージは、宇都宮の友人であるアイドル・ナナランドの竹内月音がキュートに務めた。映像が終わると、バースデーソングの大合唱に合わせ、ケーキが登場。会場が幸せな空気に包まれる中、ファンとの集合記念写真も撮影された。
お祝いタイム明けは、エモーショナルなギターリフが印象的なミディアムナンバー「colors」でライブをリスタートし、徐々に帯びていく熱量が魅力の「息をする旅」、疾走感に満ちた「Plan」(おやすみホログラムカバー)を立て続けにパフォーマンス。熱い盛り上がりを生み出し、ライブ本編をフィニッシュさせた。「Plan」を歌い終え、2人がステージを後にすると、すぐにアンコールを求めるコールとハンドクラップが会場に響き始める。その声に応えてステージに登場した2人は、おやすみホログラムのカバーでありながら、ライブで歌い続けファンと熱を共有することで、もはや月刊PAMのライブになくてはならない鉄板曲に育てた「ニューロマンサー」を熱唱。この日最高の盛り上がりを見せるフロアは、サビを大合唱する。要所で聴かせる2人のハモりも、その盛り上がりをさらに増幅させる。こうして、全12曲を披露したライブは沸点に達して幕を閉じた。
ライブを終えた8日後、7月14日に宇都宮未来は21歳の誕生日を迎えた。今から6年前、宇都宮が15歳、船井が17歳の時に出会った2人=月刊PAMの旅は、まだまだ終わらない。
取材・文/大久保和則 写真/シミズソウタロウ
船井美玖(X/Instagram)と宇都宮未来(X/Instagram)によるガールズユニット。編集部をコンセプトに2023年7月デビュー。圧倒的な歌唱力を武器としたパフォーマンスに定評がある。
’25年3/7(金)、 渋谷WWWにてワンマンライブを開催予定。