CANDY TUNEツアーファイナル直前短期集中連載!!　インタビュー企画【きゃんちゅーのCan’t stop！　君に夢TUNE！〜結成1周年記念　豊洲PITまでの道〜】南なつ編

2024年4月24日

’23年3月に、アソビシステムのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から誕生した7人組アイドルグループ・CANDY TUNEの短期集中企画が「B.L.T.web」にてスタート！　現在、デビュー1周年を記念して、グループ初の全国ツアー「CANDY TUNE 1st ANNIVERSARY TOUR 2024」を開催中。さらに、4／27(土)に行われるツアーファイナルは、単独公演としてはグループ史上最大規模の会場となる東京・豊洲PITで開催される。同事務所の先輩グループであるFRUITS ZIPPERも1周年を豊洲PITで迎えており、順風満帆のきゃんちゅーかと思いきや……彼女たちの焦りや葛藤、それでもアイドルであるという熱い想いを赤裸々に語ってもらう。

──初の全国ツアー「CANDY TUNE 1st ANNIVERSARY TOUR 2024 -TUNE UP IN TO US-」のファイナル公演となる東京・豊洲PIT（４月27日開催）でのライブが近付いています。グループ史上最大規模となる会場です。

「デビュー前から１周年のタイミングで豊洲PITを満員にしたいっていう話をメンバー７人でしていたんです。その時はまだ先輩のふるっぱー(FRUITS ZIPPER)が、１周年で豊洲PITに立つっていうことは知らなかったんですよ。そのあと、ふるっぱーさんが立つってことになって、7人でそのライブを見に行って。会場の一番うしろから見たんですけど、もう目の前までお客さんで埋まっていたんです。まだ私たちはデビュー前だったから、こういう風になりたいし、私たちもこうなれるってすごく思ったんですよ」

──実際、豊洲PITでのライブが実現しました。

「はい。でも、デビューしてみると、そんな簡単に満員にできることではないことが分かってきて。(事務所の)社長からも１周年で豊洲PITには立てないかもねって厳しいことを言われたりもしたんです。それで、ちょっと諦めモードになっていた時もあったんですけど、『１周年のタイミングで豊洲PITを押さえました。』って言われて。すごくプレッシャーだったんですけど、絶対に満員の当日を迎えたいし、豊洲PITがゴールなんじゃなくて、ここを通過点にしなきゃいけないって、メンバーみんな思ったんです。この壁を越えたいし、その先を絶対に見てみたいから。でも、今日、B.L.T.さんの撮影で実際に豊洲PITに行ってみて、やっぱり大きいところだなってすごく思っちゃいました(笑)」

──そこを１周年で満員にしたFRUITS ZIPPERの大きさを改めて感じました？

「ホントにそうで。私たちはふるっぱーの背中をすぐ真後ろぐらいで見ていたいんですけど、全然そこまで辿りつけてなくて。ふるっぱーは５月に２周年で日本武道館でライブをするじゃないですか。ハイスピードで駆け抜けていて、私たちは同じスピードでとまでは行かなくても、後輩(SWEET STEADY）もできたから、後輩のためにも私たちが先を行って、ふるっぱーの真後ろにちゃんとついていたいです

──３月にデビューしたばかりのSWEET STEADY。初めての後輩グループにどんな思いがありますか？

「素直に、大きくなってほしいなって思います。すいすてちゃんはもちろん、私たちも(笑)。いい意味でライバル意識みたいなのは全然なくて。きゅんちゅーはすごく多様性を持っていて、どんな相手も受け入れることができるから、メンバー間でもライバル意識みたいなものが全然ないんですよ。むしろスタッフさんに『持って』って言われるぐらい。だから、後輩に対しても同じ感じだし、すごくみんなでかわいがっています(笑)。でも、負けたくないというか、先輩として背中を見せ続けたいって思っています」

──昨年３月のデビューライブから１年が経ちましたが、振り返ると、どんな１年になりましたか？

「ついに自分の人生を歩み始めた、みたいな感じがあります(笑)。私、アイドルがずっと好きだったんですね。でんぱ組.incとかdropとかまねきケチャとか。中学生ぐらいの時から結構本格的に現場とか行き始めたんですけど、自分がアイドルになりたいと思ったことはなかったんです。でも、関わりたいっていう気持ちはあって、チェキのスタッフからはじめて、アイドルのマネージャーを１年ぐらいやっていたんです。そこで、ライブアイドルの実態というか、その全てを知ったら、自分もやってみたくなったんですよね」

──南さん以外のメンバー６人はアイドル経験がありますが、南さんはCANDY TUNEで初めてアイドルになったんでしたね。

「はい。アイドル、向いているみたいです(笑)。やっていてすごく楽しいから。CANDY TUNEができる前から私はメンバーのことを(アイドルとして)知っていたから、こんな子たちと一緒に活動できるんだ！　っていうので最初から楽しかったですし、ファンの方との絆みたいのができてきたら、ファンの方を幸せにしたいっていう思いを素直に持つことができて。全国ツアーの間に私の生誕祭があったんですけど、なんか、すごくこのファンの方たちのために、アイドルを続けていきたいなって思って……(と何か思い出した様子で、涙を流す)」

──すごく心を打たれたことがあったんですか？

「(涙ぐみながらうなずく)。私は元々アイドルじゃなかったから、私のファンの方たちは私を見つけてそれぞれ１人で応援してくれるようになった方ばかりだと思うから、『生誕祭までにファン同士で友達を作ってね』って私が言ったからなのか、特典会の時に私の前で、ホント10数人ぐらいで、私のチェキを出して、みんなで写真を撮ったりしていて。かわいいと思って、愛しいと思って(泣)。最初は１人で現場に来ていた子たちに友達ができて、X（旧Twitter）とかを見ていると、一緒にご飯を食べに行ったりもしているみたいなんです。なんか、アイドルってそういう力がやっぱりあるんだな、自分がアイドルをやっていることで世界がよくなるんだなって実感したというか」

──なるほど。事実、世界がよくなっていますものね。南さんを通して友達ができて。

「だから、続けていきたいなって思いました。ファンの方たち、メンバーのみんなのおかげで、やっと私の人生が始まったような感じがしています(泣)」

──すごく大きな気付きというか、活動していく上でも、生きていく上でも大きな出来事でしたね。

「大きいですね。私、メンバーの中で一番人気がないと自分で思っているんですよ。だから、いつも６人に追いつかなきゃっていう気持ちでがんばっていて、最近はファンになってくれる方が増えてきて、すごくありがとうって感じているんです。最初の頃はどうしたらいいんだろうってキャラを迷走したりしていたんです。でも、最高の先生が６人もいるので、みんなにいろいろ聞いたりできて、たくさん助けてもらってきたんです。私に人気がないなら、私の人気が底上げされれば、きゃんちゅー全体の人気もあがるんだっていう思いで、この１年、突っ走ってきましたね(笑)」

──ポジティブな考え方が素敵です。

「中学生の時に引きこもりになって、そこから自力で脱出した経験があるから、どん底からポジティブになるやり方を分かっているので、それをみんなに伝えていきたい気持ちがめっちゃあるんですよね」

──引きこもりからどうやって脱出したんですか？

「自分の環境を見つめ直すことも大事ですけど、推しと共通点を見つけることで自分を肯定できるっていうことが私的にはすごく大きな発見だったんです。私、自分がハーフなのも、顔が小さいのも、目が大きいのも、胸が大きいのもすごく嫌だったんですよ。自分のことが全部、嫌いだったんです。それで外にも出なくなって、引きこもっていて。でも、ハーフなのはローラちゃんとかトリンドル玲奈ちゃんとかハーフタレントさんを見て、自分のアイデンティティーを武器にしていっていいんだって思えたし、顔が小さいのも市川美織ちゃんを見ていいことなんだって思えたし、胸とかスタイルは最上もがちゃんのグラビアを見て体ってこんなに綺麗なものなんだなってなって。もがちゃんきっかけでグラビアにハマっていったら、いろいろなスタイルの人たちがいて、スタイルっていろいろあっていいんだって思えたんですよね。私は自分でそういうことにひとつずつ気付いていったんですけど、誰かがそのことを教えてくれればもっと早く、自分を肯定できたと思うから、私がアイドルとしてそういう役割をしていけたらいいなと思っています」

──どれくらい引きこもっていたんですか？

「１年半ぐらいです。小学校で一緒だった人がいない中学校にいったので、人間関係でもあまりうまくいかなくて。でも、アイドルとアニメに助けられて、夢ができたんです。英語とファッションについて勉強したいから(服飾専門学校の)文化服装学院に行きたいっていう。そこに行くために高校に行かなきゃいけない。高校に行くためには中学に行かなきゃいけないと思って、また中学校に通い始めたんです。夢を叶えるために中学校に行くだけだから、周りに何を言われようが関係ないなと思って」

──かっこいいです。高校卒業後、文化服装学院に入学したんですか？

「はい。でも、２年の時にコロナ禍で辞めちゃったんです。その時もうインターンで働いていて、働くのが楽しかったから、卒業を待たずに早くから働きたいかもっていうのもあって辞めましたね」

──これから先、どんな風に活動していきたいと考えていますか？

「ひきこもりの話と重なっちゃうんですが、自分のアイデンティティーをもっとさらけ出していかなきゃいけないなって思っています。自分が引きこもりだったこととか、どんなことが好きかとか、どういう性格なのかとか、もっとさらけ出して、少しでもいろんな人が私との共通点を見つけて、そこを肯定できるようになれたらいいなって思います。この１年、アイドルとしてのイメージが大切だから、あんまり泥臭いことは言わないほうがいいのかなって思っていたんですけど、そういう活動の仕方は違うな、きゃんちゅーじゃないなって思ったので(笑)」

──改めて、CANDY TUNEとはどんなグループでしょう？

「生誕祭のスピーチでも話したんですけど、この７人だったら、絶対、世界を変えられるって思うんですよ。7人の価値観がめっちゃ一緒で、仲がいいグループなんてほかにないだろうし。多様性ってこういうことなんだなって、７人でいるとめっちゃ思うんですよ。みんな、お互いを受け入れる態勢がすごくあって。でも、ちゃんと自分の意見も持っている。きゃんちゅーのそういうところをもっと世界に発信していきたいなって思います！」

写真＝Junya.JP
取材・文＝小畠良一

4／27(土)「CANDY TUNE 1st ANNIVERSARY TOUR 2024」＠豊洲PIT
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♡CANDY TUNE

‘23年3月に、アソビシステムのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から誕生した7人組アイドルグループ。メンバーは、村川緋杏、桐原美月、福山梨乃、小川奈々子、南なつ、宮野静、立花琴未の7人。グループ名には、フレーバーも形もさまざまな「CANDY」のように、好きなものも性格も違う個性豊かなメンバーが集まり、彼女たちのポップな「TUNE（旋律）」を奏でていって欲しいという想いが込められている。

◆CANDY TUNEオフィシャルサイト