「ZIP!」(日本テレビ)のお天気キャスター、「趣味の園芸 やさいの時間」(NHK Eテレ)などで活躍する長沢裕ちゃんの”マイセルフスタイル”をお届け中の連載「ゆうゆうfarm」。
今回の「ゆうゆうファーム」では、畑の様子を紹介するのではなく、旬の野菜を使った私の地元の鍋料理を紹介しようと思います。
私の地元、福島県から「ニッポン全国鍋グランプリ2017」
福島県は地形の関係で大きく3つに分かれているので、それぞれの地区でかなり味や文化が異なっているみたいなんです。だから私の故郷では、あまり見かけなかっただけなのかもしれません。
確かに祖母は、わりとよく「酒粕」を使った「粕汁」などは作っていたのですが、私の地元ではお鍋といったらやっぱり「芋煮鍋」が代表かなって。ほんのり甘い味噌味なのですが、すごくおいしいので、長沢家バージョンで紹介しますね!
東北は、秋から冬にかけてとてもおいしい根菜類がたくさん採れるので、大地の恵みいっぱいの「芋煮鍋」は、私の暮らしていた地域では小学校の時から年間行事として取り入れられていました。
秋になると校庭で芋煮鍋を作るんですよ。作る時はクラスごとではなく、学校に通う班が1年生から6年生まで縦割りで11班もあったので、その班ごとに作りました。
6年生が小さい子たちを指導しながら作って、一緒に食べるのですが、時々、隣の班の子に少し食べ比べさせてもらったりして、芋の柔らかさや、味付けが微妙に違ったりしたのを覚えています。学校のみんながとても楽しみにしているイベントのひとつでした!
中高生になると学校行事ではなくなりますが、ピクニックに行く感覚で、秋になると河原で家族や友だちと煮炊きしていました。それくらい身近な鍋料理です。
では早速作りましょう! 材料は、里芋、牛肉、こんにゃく、ゴボウ、ネギ、大根、ニンジン、そして白菜などの葉野菜も山盛り入れて、お肉は豚肉を使います。
大根やニンジンは3㎜くらいのいちょう切り、里芋はメインの具材なのでごろっと大きめに切ったら、あとは煮込むだけ。
昆布といりこなどで取っただし汁を入れて、火にかけます。沸騰したら味付け開始。お酒、ちょっと多めのみりん、そしてお味噌。ちょっと甘めの豚汁みたいな感じをイメージしてください。味は濃くし過ぎないのがポイントです! 今回、お芋を下茹でしておいたので、あとは葉野菜に火が通ったら完成。お芋もちょうどそのタイミングでほっくり煮上がっています。
最後に味が全体に馴染んで、塩気が足りているかを確認。ちょっと野菜からの水分で薄くなっているみたいだったので、少しお醤油を足してきりっとさせました。
そして「長沢家の芋煮鍋」が完成! それでは、いただきま~す!!
ん~~~っ!!! おいしいっ!!! ほんのり甘じょっぱくて、お味噌の香りとゴボウの香り、そして根菜類からでた旨みがたまりませ~ん!
これです! これが長沢家の味です。上手にできました。里芋もほっくほくです。
じつは今回作った芋煮鍋は、地元にいるときは当たり前のように食べていたのに、いざ作るとなると材料などを忘れてしまっていて、自分でも驚きました。そこで祖母に電話で材料と味付けのポイントなども教えてもらったのですが、聞いているうちに「ああ、そうだった!」って思い出してきて・・・・・・。当たり前のことほど、きちんと覚えていないことに気づかされたので、これを機に、ちゃんとおばあちゃんの味や実家の味を覚えておかなくてはって思いました。いつか私も自分の子供に伝える日が来るのかもしれないので、今から忘れないようにしなくっちゃ(笑)。郷土料理って当たり前すぎて、地元を離れてからきちんと向き合えたのは、本当に良かったです。
芋煮鍋、おいしかった~! スタッフの皆さんにも好評でしたが、ちょっと甘めの豚汁みたいだって言われちゃいました(笑)。
「ニッポン全国鍋グランプリ2017」(1/28土、29日)にステージMCとして参加する。
※伊達市の隣、宮城県仙台市も豚汁に里芋がゴロゴロ入っているような「芋煮鍋」が有名で、秋の屋外イベントなどでよく作られるポピュラーな鍋物だそうです。(注:編集部調べ)
⚫︎PROFILE
長沢裕(ながさわ ゆう)
’93・11・23福島県出身。射手座。A型。オフィシャルブログhttp://ameblo.jp/yu-nagasawa/
国産農林水産物の消費拡大に向けた農林水産省の取り組み「フード・アクション・ニッポン」の活動にも参加中!