葵うたのweb連載【葵色日記】#73 我が家の秋支度

もうすっかり秋ですね。
我が家から駅まで向かう道には、金木犀が沢山咲いているところがあります。
自転車で前を通る時、最近は漕ぐ足を止めて香りを沢山吸い込んでいます。

この時期の楽しみは色々あると思いますが、
私は、冷えた空気の澄んだ朝の青白い光が広がる台所で朝ごはんを作る贅沢な時間が、とても好きです。
この時期のお味噌汁は少し濃いめに。
庭で採れた茄子は糠漬けでいただきます。

早々に衣替えも済ませ、気分転換に部屋の模様替えもしました。
少し早いかもしれないけど、押し入れからヒーターを取り出し、風鈴や扇風機を片付けました。
我が家はすっかり秋仕様です。

相変わらずこの時期の洋服が好きです。
肌が布に包まれていると安心します。

そろそろ編み物も始めようかと思っています。
マフラーやレッグウォーマーは以前編んだものがまだ使えるので、今年は散歩や撮影現場で持つのに丁度いいポシェットを作ろうかなと。
以前にチャレンジしたことがあるのですが、思っていたより難しくて断念していました。
それでも作ろうと思ったのは、先日参加していたあるドラマの現場に、編み物が得意な方がいらっしゃって、私でも作れるような編み方を教えて頂いたからです。
その方が別れ際に、「現場で編み物の話ができたのは初めてで嬉しかった」と仰っていて、私も嬉しかった。
雑談ができることは、とても楽しいです。
人見知りなので、なんでもない話をすることが若干苦手気味ではあるのですが、少しの時間でも交流できるとスッとその人の、なんていうんだろう、存在が近くに感じたり、実感を持って感じることができる気がしていて。
連載もそうですね。なんでもない私1人の楽しみや見たもの聞いたもの、ハマっているものを発信できている。身近に感じてくれたら、嬉しいです。

すっかり秋支度を済ませたようですが、実はまだ畑の衣替え(?)に手をつけられていません。
もう実のならないトマトやゴーヤが放置され、植物が生い茂っています。
やっぱりちゃんと手入れをしないとダメですね。
引っこ抜いたり耕したりタネを撒いたりするとあっという間に1日が過ぎていくので、ちゃんと計画して早々に手をつけたいと思っています。

本当に、日々はあっという間に過ぎていく。
やりたいことが多過ぎて、否が応でも「タイパ」を意識せずにはいられません。
もう今年も終わりますが、1日1日を実感を持ちしっかりと生きて、たくさんのことを吸収して、良いお仕事をしたいです。焦らず焦らず。

一旦畑の衣替えは置いといて、保存用に干すために唐辛子を収穫しました。
まだ緑の実が沢山成っていたから、まだまだ収穫できそう。

編み込んで窓際にぶら下げているのですが、なんだか禍々しい存在感…。
厄除けみたいですね。笑

次の日、最後の収穫になりそうな野菜と、頂いた新米、日本酒を神棚にお供えしました。
恵に感謝して。

そういえば、以前の連載に書いた畑の上焼が届いたので、最後に写真を載せますね。

稲、桜、とんぼの絵は先生が描いてくれました。お猪口はすでに作られた器に、私が絵だけ描きました。
お猪口以外の器は手で形取って作りました。
上からご飯茶碗、糠漬けなどに小皿、薬味皿、醤油差し、大根の箸置き。


藤の花。

彼岸花。

【今月の一冊】

「向田邦子ベスト・エッセイ」著者/向田邦子

葵うたの aoi utano
’99・7・4埼玉県出身。蟹座。B型。俳優・タレント。ドラマ「ガールガンレディ」、「パリピ孔明」、「三人夫婦」、「さっちゃん、僕は。」などの出演経験があり、アニメ「Artiswitch」では主人公の声優を担当。公開中の映画「僕の中に咲く花火」で水石朱里役で出演。また、主演の星野可子役を演じた長編映画「タイムマシンガール」が全国各地で順次公開中。

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