僕が見たかった青空が歩んだ2024年と、歩みはじめた2025年。〜2024ラストライブがつなぐこれまでとこれから〜

2025年、僕が見たかった青空はあの空へ向けてすでに動き出している──。3月19日に5thシングルの発売が、同22日からは全国6都市を巡る初の全国ツアーの開催が決定した。どんな新曲を聴かせてくれて、どんなツアーを繰り広げるのか。昨年末の配信ライブを見ていれば、大きな期待を寄せないではいられないだろう。

’24年12月29日、「僕が見たかった青空ワンマンライブ ~2024青春納め~2024ラストライブ」がABEMA PPVにて配信限定で開催された。5thシングルの発売も初の全国ツアーの開催もその配信ライブの終盤で発表された。その発表を受けて、配信ライブを振り返ると、’24年と’25年をつなぐ架け橋のようなライブだったように思えてくる。1部と2部の2公演を通して全楽曲が披露されたこともあって、僕青のこの1年の成長を感じることができたし、’25年にまだまだ成長していくであろう可能性も大いに感じさせてくれたから。

’24年の僕青は、1月に発売された2ndシングル「卒業まで」から選抜制が導入され、青空組(選抜)と雲組(非選抜)の2組での活動がスタートした。続く3rdシングル「スペアのない恋」(8月)、4thシングル「好きすぎてUp and down」(11月)をリリースし、2組のメンバー入れ替えもその都度生じた。ワンマンライブは結成1周年を記念した「僕が観たかったワンマンライブ vol.1」(6月)、デビュー1周年を記念した「アオゾラサマーフェスティバル2024」(8月)、「僕青祭2024」(10月)、そして年末の配信ライブを含めば4回開催された。また雲組単独公演が1月から月に1度のペースで行われてきた。この1年の歩みは過去のB.L.T.ならびにB.L.T.webの記事に詳しいので、参照していただきたいが、シングルの発売やライブの開催が決まるたびに、メンバー23人はパフォーマンス面でもメンタル面でも、自分たちの現状を目の当たりにしながら、新しい課題に立ち向かってきた。マネージメントも彼女たちを信じて、常に課題を投げかけていた。

自分の力不足に焦りを覚えた時もあれば、周りと自分を比べて挫けそうになった時もあったし、なかなか前向きになれない時だってあった。それでも、23人は一歩一歩着実に、歩みを止めずに進んできた。そうした経験と、そこから少しずつ培ってきた自信が今、パフォーマンスにもメンタルにも見えはじめているように思う。だからこそ、’24年を締めくくる配信ライブでは、いつになくライブそのものを楽しんでいるような印象を受けた。この1年、積み重ねてきた経験と自信があるからこそ、年納めのライブを楽しむことができているように感じた。配信ライブということで画面を通して各メンバーの表情がよく見えたし、パフォーマンスも細かいところまでよく見えたぶん、そう思えた。みんな、楽しそうだなと。ステージ裏でモニターの映像を見ながら、私は今回の配信ライブを見届けていたが、ステージからはけてくるメンバーは緊張やプレッシャーでピリピリしているというよりは、次のパフォーマンスを楽しみにしているように見えたし、自分が出番ではない時は、ステージでパフォーマンスするほかのメンバーの映像を見ながら、同じ振りを楽しそうに踊っていた。

もちろん、彼女たちがこの配信ライブを“ただ楽しんでいた”というだけではない。当初、12月28日と29日の2日間にわたり、東京・山野ホールにて有観客で行うはずだった今回のライブだが、安全性にかかる法令上の疑義が認められ、ホールの貸し出しが中止となったために、配信限定のスタジオライブに変更されたのだった。急遽の会場変更、配信限定となったために、短い時間でその対応をしていかなければならなかった。リーダーの塩釜菜那がどういう状況だったかを明かしてくれた。

塩釜「リハーサルができる時間は少なかったですけど、時間が少なくても仕上げられるのが活動2年目の私たちがやらないといけないことだよねって、スタッフさんたちから話があって、そういう意識を持って配信ライブに向けて取り組んでいました。でも、パフォーマンスしながらカメラを意識していくのは難しかったです。この曲のここはこういう画角で、誰がカメラに抜かれるっていうのをライブ当日に初めてカメラマンさんと合わせていったんです。カメラリハーサルを1曲通してできなかった曲もあって、そこは自分の目の前に来たカメラを見て、その場で目線を合わせていきました。もし合わなかったら、変に目線を動かさないっていうことだけをみんなで決めて」。

カメラとメンバーの目線がぴったりと合っていたので、何度もリハーサルを重ねていたのかと思いきや、当日に初めて合わせて、あそこまで仕上げてきたというのは少し驚きだった。本当にこの1年の経験がそういう対応力を養ってきたのだろうし、アップで映し出されたメンバーが目線を合わせた上で、しっかり表情もつけていて、アピールすることの自信も以前より強く感じずにはいられなかった。付け加えておけば、アップで映し出されていなくても各メンバーが楽曲に合わせてちゃんと表情をつけてパフォーマンスしていることも映像を通してよくわかった。

塩釜「配信ライブに向けてリハーサルをしていて、この1年のメンバーの成長ってすごいなって思いました。私も日々がんばってはいるんですけど、追いつくのに必死です。でも、最近では、ほかのメンバーがみんなを引っ張ってくれるようにもなっているんです。今回の配信ライブでも、カメラリハーサルとか当日に初めて取り組んだので時間がない中、みんなが自分から(私のところに)確認しにきてくれて、私の説明が足りないところは誰かが付け足してくれるんです。どんどん自分たちの中の意識が上がってきているんですよね。それが次(のステージに)につながっていくのかなって思うと、本当にこれからが楽しみだなって思いました」。

配信ライブだからこそ、映像を通してより近くでメンバーを見ることができて、各メンバーの個性が以前よりもどんどんあらわれはじめていることも再確認できた。視聴者それぞれに新たに感じられたメンバーの個性などもあったのではなかろうか。私個人としては、岩本理瑚が型に縛られずというか、誰よりも自由に情感たっぷりにダンスをしていることを知ることができた。

2部制で全楽曲を披露し、2024年を納めた今回の配信ライブを終えて、リーダーの塩釜に2025年に向けて意気込みを聞くと、5thシングルのことでも、初の全国ツアーのことでもなく、まず「23人で一緒にいたい」という言葉が返ってきた。その意味するところは、彼女らしいというか、僕青らしいというか、僕青というグループが本気で今、活動に向き合っていることがよくよく伝わってくる言葉だった。

塩釜「2025年も23人で一緒にいたいなって思いますね。23人みんなが志を同じところに持って、がんばっていくのって、当たり前のことじゃないんだなって、普段のみんなを見ていて感じるんです。みんながそれぞれにがんばってくれているから今、こうして一緒に活動できているんだなって、この1年を通して思いました。あと、ファンの方が早くたくさんの方たちに僕青の魅力を知ってほしいと思って応援してくださっているので、その期待に応えられるようにもっとがんばっていきたいです」。

年が明け、メンバーたちは新年早々、とある場所でレッスンを行った。歌唱やダンス、演技の厳しい指導を受け、なかなか思い通りにできない自分とメンバー各々が向き合いながら奮闘していたそうだ。さらなる成長に向けて、今、この瞬間も、彼女たちは努力を続けている。

僕が見たかった青空をたくさんの方たちに見てもらうために──。

第1部セットリスト

1.  好きすぎてUp and down

2.  初めて好きになった人

3.  君のための歌

4.  スペアのない恋

5.  昇降口で会えたら

6.  涙を流そう

7.  卒業まで

8.  制服のパラシュート

9.  思い出尻切れとんぼ

10. 好きになりなさい

11. 空色の水しぶき

12. 炭酸のせいじゃない

13. 友よ ここでサヨナラだ

14. 青空について考える

第2部セットリスト

1.  好きすぎてUp and down

2.  初めて好きになった人

3.  マイフレンズ

4.  青空について考える

5.  暗闇の哲学者

6.  真っ白に塗り直せ

7.  制服のマネキン

8.  飛ばなかった紙飛行機

9.  微かな希望

10. 僕にとっては

11. 空色の水しぶき

12. 炭酸のせいじゃない

13. あの日僕たちは泣いていた

14. 好きになりなさい

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