ZIP! 石川みなみアナウンサー(日本テレビ)「『キャラは見つけてもらうもの』その言葉が腑に落ちました」

2023年9月11日

気になるアナウンサーに迫るB.L.T.連載「ANA-LOG（アナログ）」を、B.L.T.webでも公開！

日本テレビアナウンサー

石川みなみさん

今回は、「ZIP!」でおなじみ、日本テレビの石川みなみアナウンサーにインタビュー！

————石川さんの〝アナウンサースイッチ〟が入るタイミングというのは？

「私の場合はスタジオに入って、マイクを着けたタイミングかもしれません。月曜から木曜は起きてから５分くらいで出かける仕度をして、コンタクトも着けずにオフの状態で家を出るのが、このところルーティーンになっていまして(笑)。そこから局に到着して、ゆっくりとスイッチを入れていくような感じですね」

————その間に頭の中を整理するなどしてオンエアに備えていく……と？

「たとえば、『ZIP!』の『SHOWBIZ』コーナーでは8つほどトピックを紹介して、そのうちの1つか2つに対して各曜日パーソナリティーの風間俊介さんや山下健二郎さんに20秒ほどのコメントをいただいていますが、その限られた時間に私は懸けているんです。お二方とは1年目で番組についた時からご一緒しているので、やりとりがイメージしやすいとはいえ……どのような視点や角度でお話を聞けば、ならではの言葉を引き出せるか、そのコメントをどう受けるか──といったことを、毎回5パターンほど事前に考えていて。その上で、オンエア時の最適解と思しき〝振り〟をするわけですが、そういった瞬時の判断力は4年目にして少しは身に付いてきたのかな……と感じていたりもします」

————３年間、生放送で積み上げた経験値は伊達じゃなかったわけですね。

「たまたまですが、現在担当している『ZIP!』『Oha!4』『ゼロイチ』は３つとも生放送なんですよ。なので、〝放送時間内でしっかり役目を務めきる〟という姿勢と心掛けを、それぞれの番組において学んだと言いますか、鍛えられたなと実感している部分が多分にあります。内定者の時期までさかのぼると、同期の忽滑谷（こころアナウンサー）の持ち前の度胸のよさが羨ましいくらい、いろいろと案じた挙げ句、何も言えずに終わってしまうタイプでしたので──。そういう意味では、だいぶ度胸がついたかもしれないですね。スタジオに入ってオンエアの時間が来たら、何が何でも話さなければなりませんし、まさか逃げ出すわけにもいかないので……(笑)。そう考えると、短いながらも経験が生きているのだなと思います」

————以前に増して「伝える」ことへの意識も高まったのではないですか？

「言葉1つを選ぶにしても、たとえば『ZIP!』の視聴者の方のみならず、風間さんのファンの方、ひいては紹介した映画に関わった方々まで、どなたが聞いても快く受け取れるようなひと言を、と心掛けてはいますが、まだ試行錯誤中ですね──。ただ、あくまでメインはパーソナリティーの方であったり、『ゼロイチ』であれば指原（莉乃）さんをはじめＭＣ陣の方々や出演者のみなさんなので、素敵な言葉を引き出した上で、さりげなく添えるぐらいの気持ちでひと言を足そうと考えていて。情報とともに取材した方の人間味が垣間見えるエピソードを加えたり、といったように状況に応じたコメントができるよう日々、模索しています」

————その〝前に出すぎず、されど引きすぎず〟というアナウンサーならではの立ち位置は、難しいですよね。

「それをより実感したのが『ゼロイチ』で、多くの芸人さんが出ていらっしゃることから、自分もキャラクターを確立することで、いじりやすくなるのでは、と当初は考えていたんです。ところが、番組の総合演出の方から『キャラクターというのは人に見つけてもらうものだから、無理に自分から出そうとしなくてもいいんじゃないかな』と言われて、スッと腑に落ちたと言いますか──。　自分の中にないキャラをつくっても、いつかは破綻しますし、自覚していない部分を客観的に掘ってもらった方が、落差も際立つんですよね。そこを踏まえて、自分はまずアナウンサーの職務をまっとうする、その上でギャップを見つけてもらおう、と。幸い、水卜（麻美）アナウンサーの近くで硬軟ともに学ぶことができるので、この恵まれた環境でスキルと人間力を伸ばしていきたいです」

取材・文／平田真人