11月29日(月)発売の「blt graph. vol.73」に登場する櫻坂46の増本綺良。冠番組「そこ曲がったら、櫻坂?」(テレビ東京)での言動やメンバーから明かされるエピソードなどから、かなり個性的なキャラクターとしてBuddies(櫻坂46ファンの総称)には知られている。
そんな彼女だが、グループとメンバーに対する愛情の深さは人一倍。先ごろグループ卒業を発表した一期生の守屋茜と渡辺梨加へのあふれる思いを綴ったブログは、読ませる上に泣かせると話題になった。
「blt graph. vol.73」のインタビューでも2人の先輩に捧げる言葉を語っているが、櫻坂46の一員としての熱い気持ちも吐露。彼女自身のみならず、デビュー1周年を前にしたグループの成長も見えてくる充実の取材となった。
ここでは本誌発売に先立ち、増本の言葉を特別に公開。欅坂46から櫻坂46へと受け継がれてきた〝魂(ソウル)〟を浮き彫りにする──。
SPECIAL INTERVIEW
●この秋に行われた「櫻坂46 1st TOUR 2021」を通じて、増本さんはどんなことを感じたんでしょう?
(1枚目シングルに収録・山﨑)天さんがセンターの『半信半疑』で(休業中の)小林由依さんのポジションに入らせていただいたんですけど、ステージ端っこの階段の上で踊るので……周りの人の動きとかが見えなくて、実をいうとすごく不安だったんです。でも、「BACKS LIVE!!」(6月に行われた3列目ポジションのメンバー達が全員1曲ずつセンターを務めた3DAYSライブ)の時に小林由依さんから「半信半疑」のダンスを1対1で教えていただいたので、絶対にこの曲をいいものにしたいし、小林由依さんの推しの方も「(小林さんのポジションに)増本が入ってるんだな」って見ているはずなので、がっかりさせたくないなと思って。で、小林さんのパフォーマンスに近付こうとしていたんですけど、それを意識すると振りを間違えたり表現が小さくなっちゃったりして……ツアーの途中から自分なりの「半信半疑」を思いっきり表現しようって切り替えました。そこからミーグリ(ミートアンドグリート/個別オンラインお話会)とかメッセージアプリのレターとかで「めっちゃ『半信半疑』よかったよ」って褒められるようになったんです。そういう感じで、自分なりの表現を突き詰めていくっていう挑戦をすることの大事さを学べたツアー期間でした。
●ツアーが終わってからじゃなくて、最中に気付けたのは自身を冷静に見ているからなんでしょうね。
次のライブまで1週間ぐらい空くと、感覚とかを忘れちゃうんですよ。だから、復習しようと思ってライブの映像を見て確認していたんですけど、「ここはもうちょっとこうしてみようかな」とか、いろいろと自分なりに試してみたいことが出てきて。あと、私はパフォーマンスに集中しちゃうと周りが見えなくなって急いじゃって、リズムを早取りしちゃうクセがあるんですけど、引きで撮った映像を見るとちょっとしたズレがすごく目立つことに気付いたんです。その反省がすごく大きかった気がします。なので、まず周りをよく見てリズムとタイミングをメンバーと揃えて、そこから自分なりに挑戦してみようっていう意識に変わりました。
●齋藤冬優花さんが欅坂46の初期から「振りをそろえよう」と言っていたことを、ふっと思い出しました。
そうなんです、冬優花さんはそれをすごく大事にしていらっしゃって。私だったら、「こんなこと言ったらみんなにどう思われるだろう……」って、ためらっちゃうと思うんですけど、冬優花さんはグループのために考えていることをちゃんと伝えてくださるんです。その言葉が自分の成長に繋がったっていう実感があるので、私もそういうところを継承していきたいなって思いました。
●素敵な考え方だと思います。あと、増本さんというと「Buddies」でのパフォーマンスの印象が強いんですよね。
すごくみなさんに褒めていただくんですけど、全然自信がなくって……。今回のツアーでも、自分達で練習してきてから初めて(振付を担当する)TAKAHIRO先生に見ていただく日に、「増本、ちょっと普通だったなぁ。増本なりの〝Buddies〟があるんじゃないのかな」って、言われてしまって。〝普通だった〟と言われたことがちょっとショックというか──私はただパフォーマンスしていただけだったんだなって気付かされて、ハッとしたんです。でも、どうしたらいいんだろうと思って……もう一度、歌詞を読み込みました。で、「Buddies」=仲間って言っているから、仲間意識をもっと強めるためにメンバーみんなと目を合わせることを目標にして。そしたら、目を合わせているうちに楽しくなっちゃって、ヘラヘラ笑っていたら、「すごく笑顔がよかったよ」って褒められるようになりました(笑)。なので、もう一度歌詞と向き合ったり、曲の捉え方を変えてみることも大事だなっていうことも、今回のツアー期間で学びました。
●その純粋に楽しんでいる感じが良かったんだなと思います。
私、思っていることがあって──いつか櫻坂全員で「Buddies」をパフォーマンスしたいんです。やっぱり〝仲間〟がテーマの曲ですし、ファンの皆さんの愛称でもありますし……そしたらライブ会場の一体感をもっともっと感じられるんじゃないかなって。BACKSのメンバーは、自分が参加しない楽曲の間はバックステージで待機しているんですけど、「Buddies」の時はみんな裏で一緒に踊っているって聞いたことがあるので、いつかステージの上で全員一緒に披露したいです。
●その光景、いつか見たいです。12/9(木)10(金)に日本武道館で開催される櫻坂46「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」でありますかね……?
いや〜、私が勝手に思ってるだけなので(笑)。でも、「ANNIVERSARY LIVE」ではとにかく泣いちゃわないようにしたいです。いろいろな曲で茜さんと梨加さんのことが思い出されちゃうので──。「Plastic Regret」は「BACKS LIVE!!」の時、目の前に茜さんがいて、その背中を思い出しちゃったり……梨加さんとは隣同士のポジションで向かい合う振りもあるんですけど、梨加さんの微笑みが優しすぎて、ツアーの時には泣いちゃいました(笑)。「君と僕と洗濯物」も「BACKS LIVE!!」でセンターだった梨加さんの後ろに茜さんがいたことを思い出しちゃいそうで……「おもさび(思ったよりも寂しくない)」とかも、今後パフォーマンスしていく中で絶対に茜さんの姿を思い出しちゃうだろうし……そういうことを考えるとちょっと悲しいです。だから、また「BACKS LIVE!!」が開催されることになったら、茜さんの思いを引き継いで「おもさび」のセンターに立候補したいんですけど、ちょっとヘンですかね?。
●いえいえ、全然。というか、〝櫻エイト〟入りを目指そうという気持ちは……?
正直言うと、「いつかは……」っていう気持ちがあります。でも、まずは目の前のことをコツコツとやっていって、その先に結果として見えてきたらいいのかな、っていう風に考えているんです。
●謙虚ですね。でも、千里の道も一歩から、と言いますし……結果も大事ですけど、過程はもっと大事なのかなと思います。では、ほかにも最近何か考えることなどあれば、話してもらえればと。
いつか後輩が入ってきた時に、茜さんや梨加さんたちが私にしてくれたこと、先輩にして欲しかったことを全部してあげたいなって1人で思っていたりします。私は年下の子が好きなので、もし三期生が入ってくるっていうことになったら、いっぱい仲良くなりたいです。
●もしかして子どもの時、「妹や弟がほしかったな〜」と思っていたタイプですか?
そうです! 人を甘やかすのが好きで、「ヨシヨシ〜」って、かわいがりたいんです。虫とかもそうなんですけど。
●へ、虫!?
虫とかもかわいがりますし、猫とか犬も大好きなので──〝愛でたがり〟なんですかね?。
●猫や犬はともかく、虫はどう愛でるんですか?
目線のところに持ってきて、「かわいいでちゅね」って(笑)。虫って目がすごくキレイなんですよ、すごくキラキラしているんです。だから、私、最近YouTubeで〝G〟の動画ばっかり見ていて──。
●ちょっと何ですか、それ……どういうこと!?
爬虫類の餌にするために〝G〟を3千匹くらい飼育している人がいて。その飼っているボックスを掃除する動画を見ると、すごく手際がよくてめっちゃスッキリするんですよ!。
●そ、そうなんですね。話を戻しまして……増本さん個人の目標を聞かせてもらっていいですか?
ツアー期間を通じてパフォーマンスの質を高めていく楽しさを知ったので、自分で見ていても楽しくなるパフォーマンスができるようになりたいです。ライブの映像を見ると今は落ち込むばっかりなんですけど、そうじゃなくて自分で見ても楽しくなって「もっとここをこうしよう」って思えるような……マイナスをゼロにするんじゃなくて、どんどん足していけるぐらいパフォーマンスに自信を持てるようになることが、目標です。
●話を聞いていて、増本さんは努力家タイプなのかなと思いました。
努力を重ねていくことで結果が出るとうれしいですし、その結果を見てもらうことも好きなので、ダンスが上達したなと思ったら、すぐ冬優花さんとかに見てもらっていて。あと、大沼(晶保)さんの影響が大きくて、私。大沼さんってダンスで怖がらずにチャレンジする人なので、その姿を見て「私ももっと挑戦しよう」って思えるようになったんです。
●それこそ「BACKS LIVE!!」での大沼さんセンターの「BAN」は粗削りだけどダイナミックで、すごく印象に残っているんですよね。
私も大沼さんの「BAN」が大好きで。ずっと全力で楽曲に向き合っている姿に、「BACKS LIVE!!」の準備期間中で感化されたメンバーはすごく多かった気がします。自分があんなふうにパフォーマンスできたら、自慢するだろうなって思うんですけど、大沼さんは全然自信がないって言っていて。私もそうですけど、自信ってどうすればつくのかなって思う日々ですね……。
●確かに、つけようと思ってつくものじゃないですし……難しいですよね。それこそ、メンバーと切磋琢磨することで生まれてくるものかもしれないですし。そこも踏まえて、増本さんにとってメンバーとはどんな存在なのかを語ってもらえますか?
宝物ですし、大事な存在なのでずっと離れたくない人達です。でも、茜さんと梨加さんの卒業を目前にして永遠じゃないことを知ったので、本当に1秒1秒を大切にしたいなって思っていて。将来、別々の道に進んでそれぞれの人生を歩んだ時に「出会えてよかった」と思うんだろうなと想像できますし、自分もメンバーからそう思ってもらえるような人間になりたいです」。
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