「もしメインメンバーに選んでいただけるんだったら、もちろん自分なりにがんばるつもりです。でも、それはまだまだ先のことなんじゃないかなと思います」。

シングル表題曲のメインメンバー(センター)になることについて、発売中の「B.L.T.11月号」のインタビューで、そう話していた金澤亜美。「立ちたいっていう夢はずっとあるんですけど、(中略)もうちょっと自信がついてからがいいなぁ」とも語っていたが、運命は待ってはくれなかった。
その後に行われた僕が見たかった青空の7thシングル選抜発表にて、金澤が表題曲のメインメンバーに抜擢された。グループとしては八木仁愛、杉浦英恋に続く3人目となる。杉浦が初めてメインメンバーを務めた6thシングル「視線のラブレター」は初週売上が自己最高の10万枚を突破したが、7thシングルでは金澤が新たなグループの顔となり、さらなる飛躍を目指すこととなった。
選抜発表直後、金澤は公式YouTubeチャンネルの撮影でインタビューを受けていた。〝泣き虫〟キャラの金澤だが、涙を見せることはなかった。どうやら泣くまいと涙をこらえていたようで、それを終えてほっとしたのか、続いて行われた本記事のインタビューでは、始まる前から目に涙をいっぱいためていた。


——その涙の理由は何ですか?
金澤「ん……、不安です。私で大丈夫かなって」。
——大丈夫だと思うから抜擢されたのかと。やってやるぞ! という気持ちになれませんか?
金澤「やってやる! んですけど、心の準備ができていないから、もうちょっと時間をください。もうちょっとしたら、覚悟を決めてがんばります」。
——発表を聞いて、1時間も経っていないですしね。メインメンバーが自分だと発表された瞬間はどんな心境でしたか?
金澤「来ちゃった……って思いました。たまにメンバーから『亜美、ワンチャンあるよ』って言われていたんです。だから、もしかしたら可能性はあるのかなって考えたこともあったんですけど、発表の瞬間は絶対に自分じゃないと思っていました。そしたら、来ちゃいました(と泣き笑い)」。

——発表を聞いた瞬間、うなだれていましたね。
金澤「不安で……。もう不安しか出てこない。今までの(表題曲の)メインメンバーは(八木)仁愛ちゃんと(杉浦)英恋じゃないですか。2人と自分を比べちゃうと、不安になります。2人ってダンスも歌もすごくて、表現力もあって、ほんとに表現者だと思うんです。2人が真ん中に立っていると目を引くし、グループ全体も綺麗に見えて、みんなのパフォーマンスをすっごく引っ張ってくれる。しかも、2人とも明るい性格で、一緒にいると元気になるし、もう全部、兼ね備えているんです。だから、私で大丈夫かなって。自分のことで不安になるっていうより、みんなが不安にならないかなと思って、それが怖いです」。
——選抜発表が終わって、金澤さんのところに集まってきたメンバーたちは、なんて声をかけてくれていたんですか?
金澤「『おめでとう』って……。仁愛ちゃんは『うしろにいるから大丈夫だよ』って言ってくれました。なんか……うれしかったです(泣)」。

——そう言ってくれていても、不安な気持ちはまだ変わらない?
金澤「変わらないです。いつもみんなに助けてもらってばっかりなので。(9月23日に開催された青空組単独公演に向けた)今日のレッスンでも、私、号泣しちゃって。いっぱいいっぱいすぎて『できない!』ってなっちゃって。そしたら、みんなが助けてくれて、明るく前向きな気持ちにしてくれたんです。いつも救ってもらってばっかりだから、私がメインメンバーで、みんな不安じゃないかなって思います」。

——でも、 「B.L.T.11月号」掲載のインタビューでは、頼もしい発言をいっぱいしていました。〝僕青の夢〟に対して、今、少し弱気になっているメンバーに「言霊を信じているから(中略)、亜美が『大丈夫!』って言い続けます!」とかって。
金澤「うん。今日の私はダメです、不安です。でも……みんなの前でもう泣かないって決めました。いや、やっぱり無理かも……。今はまだ宣言できないですけど、心の中では泣かないって決めました」。


——なぜ泣かないほうがいいんでしょう?
金澤「みんなを不安にさせたくないし、ずっとくよくよしてはいられないから。みんなが着いて行きたい──いや、着いて行きたいっていうのはなんか言葉が違うんですけど」。
——そういう人でありたいと。
金澤「うん。かっこいい人になりたいです」。
——「全部、兼ね備えている」という八木さんと杉浦さんの2人。金澤さん自身はメインメンバーとしてどんなことができたらいいなと思いますか?
金澤「2人が持っているのは天性のものなので、あんな風には私がどうがんばってもなれないんですよ。でも、パフォーマンスは最大限というか、今まで以上にがんばるんですけど」。

——金澤さんは負けず嫌いでしたよね。だから、メインメンバーとして自分ならこういうことがしたいっていうものがあるのでは?
金澤「えー。分からないです、分からない……」。
——ダンスもこの2年で見違えて上達して、八木さんや杉浦さんのように自分らしさもちゃんとパフォーマンスにある。かわいらしさと強さを共存させていて。初めて金澤さんのパフォーマンスを見る人は、びっくりすると思うんです。「この子、こんなに強い表情で、ガツガツ踊るんだ」って。その一方で、アイドルアイドルしたかわいらしさも存分にアピールできる。そんな風に、自分らしさをどう出していくかをすごく考えてきた人だから、メインメンバーとして自分にはこういうことができるんじゃないかって考えているところが、実はあるんじゃないかなと勝手に思っていて。
金澤「なんで選んでいただけたのかも分からないんですもん。メインメンバーとして自分に何ができるのかは、んー、分からないです!」。

——(金澤が悩んでいるところに、須永心海と安納蒼衣がたまたま通りかかったので、思わず2人に〝助け舟〟を求めてしまった)須永さんと安納さんは、金澤さんがメインメンバーに選ばれて、どんな感想ですか?
須永「うれしい」。
安納「楽しみ♪ (とニコニコ)」。
金澤「ありがとう(泣)」。
——金澤さんがメインメンバーになると、今までと何が変わりそうですか?
須永「何が変わるっていうより、亜美の夢が一つ叶ってうれしいなと思いますね。最近のグループの流れっていうか、個人のお仕事とかそういうのが決まった時に、全員で一緒に喜び合えるんですよ。それがすごくいいなと思っていて。ま、きっとね、口にはしなくてもメインメンバーになりたいと思っている子はグループの中にほかにもいると思うんです。でも、自分が選ばれなかった悔しさがあったとしても、まずは亜美のことをみんなで『よかったね、おめでとう』って言い合える。そういうところが、僕青って素敵だなって思いますね」。
——だからこそなのか、自分の不安よりも、みんなが不安になるんじゃないかっていうことを金澤さんは心配していて。
安納&須永「なるわけないじゃん!」。
金澤「えー……」。
安納「どんな曲になるのか分からないけど、亜美ちゃんだから、MVとかかわいくなるんじゃない?」。
須永「映らせてね、私も」。
金澤&安納「(笑)」。
須永「今日は泣き虫にならないでがんばったね、(YouTube公式チャンネルの)インタビュー」。
金澤「うん」。
須永「ごめんなさい。長居しそうなのでそろそろ帰ります」。
安納「お邪魔しました(笑)」。
——いえいえ、こちらこそ呼び止めてしまって申し訳なかったです。ありがとうございました。
金澤「優しいなぁ。ちょっと安心しました」。

——それでは改めてお聞きします。しつこいようですが、メインメンバーとしてどんなことをしていきましょう?
金澤「僕青の入口になりたいです。ずっと言ってきたことではあるんですけど、僕青を知ってもらうきっかけになりたいです」。
——どうしたら入口になれますかね。
金澤「え゛!? もう分からないですよ、そんなの〜! (と下を向く)」。
——もしメインメンバーが下を向いていたら、僕青の入口にはなれないですよね?
金澤「……キラキラしていたら、見つけてもらえますかね? (と顔を上げた)」。
——キラキラしていたら目を引きますよ。
金澤「目を引くアイドルになりたいんですよ。ライブでも。パフォーマンスを目で追っちゃうなっていうアイドルが憧れなので、そうなりたいです」。

——どうすればそうなれるんでしょう?
金澤「まだ研究中ですけど、〝自信〟だと思います。最近、あるアイドルグループさんのライブを観に行かせていただいたんです。そしたら、どうしても目が離せなくなった方がいて、ずっと目で追っていたんです」。
——キラキラしていました?
金澤「すごくキラキラしていました。ダンスも自分らしい踊り方をされているというか、みんなと同じ振りなはずなのに、目が行っちゃうんです。めちゃくちゃオーラを放っていて、素敵だなぁって思いました。たぶん、そうなるために必要なのは、自信なんじゃないかなって思いました」。
——自分の理想とするアイドルの姿がそこにありました?
金澤「はい。そうなりたいって思いました」。

——それをメインメンバーとしてもできたらと?
金澤「どこにいてもそうしたいとは思っているんですけど、真ん中に立たせていただくので、より……よりそうしていきたいです」。
思い返せば、金澤亜美という人は加入当初、人見知りがひどく、メンバーに自分から話しかけられず、レッスンの合間、イヤホンで音楽を聴きながら、端っこで一人お弁当を食べていたような人だった。そこから約2年、彼女は持ち前の負けん気と明るいメンバーたちに囲まれて、どんどん自分らしさを発揮するようになっていった。各誌のグラビアにソロで登場することも多く、TikTokの個人アカウントではそのかわいさが爆発している。一方ライブでは、ギャップのある力強いパフォーマンスを見せてくれる。彼女はすでにグループの中でもとりわけ目を引くアイドルだと思うし、彼女を見つけて僕青を知った人はたくさんいるだろう。だから、そのままの金澤亜美でグループの先頭に立てばいい。きっとまた多くの人が、キラキラしている金澤亜美を見つけるはずだ。
撮影=前康輔
取材・文=小畠良一
金澤亜美 kanazawa ami
僕が見たかった青空のメンバーとして、’23年8月にデビュー。選抜制が導入された2ndシングルから現在まで、青空組(選抜)としてグループを牽引し、12/17(水)に発売される7thシングルでは青空組のメインメンバー(センター)に抜擢された。僕が見たかった青空は、10/18(土)に「僕青祭」(KT Zepp Yokohama)を、12/28(日)には’25年のラストライブをTACHIKAWA STAGE GARDE(立川ステージガーデン)にて開催する。
金澤亜美は、現在発売中の「B.L.T.11月号」に登場中。ポストカード特典付はこちらから購入いただけます。
僕が見たかった青空公式WEBサイト:https://bokuao.com/
公式X:@BOKUAOofficial
公式Instagram:@bokuao_official
公式YouTube:https://www.youtube.com/@BOKUAO_official
金澤亜美TikTok:kanazawaami_bokuao 金澤亜美/amiwanakimushi 泣き虫あみちゃん