僕たちが見たかった青空は どこにある?「結成2周年記念 僕が観たかったワンマンライブ vol.2」を見て考えたこと。 第1章

2025年6月15日に東京・Zepp DiverCityにて開催された「結成2周年記念 僕が観たかったワンマンライブ vol.2」。2年前の同日、同場所にてお披露目されたメンバーたちが2年間たくさんの努力を重ねながら走り続け、パワーアップして帰ってきた。

この日のメンバーたちの様子を、全4回に渡り余すことなくお届けする。

(1)本番直前

開演20分ほど前、僕が見たかった青空のメンバー23人がステージ裏に集まり、円陣を組んだ。私も駆け付けて、その近くで様子を見ていた。リーダーの塩釜菜那が本番に向けて注意点を挙げていく。ほかのメンバーもリハーサルで気が付いた改善点などを追加した。ひと通り確認すべきことを確認し終えると、塩釜が少し改たまって語りだす。

塩釜「今日6月15日、結成2周年を迎えまして。みんながアイドルになってから2年経つんだけど、私はまさか2年目もこうやって(全員で)いれると思ってなかったから、すごくうれしくて。みんな過去を振り返るとさ、過去の自分がキラキラしていて羨ましくなっちゃうこともあると思うけど、私、全然ね、今全然、僕青はダメじゃないと思う。なんかこう現実と戦ってきて、みんなが僕青をどうしたいこうしたいって思ってくれたからこそ、いろんな葛藤が生まれたと思うし、性格が悪くなっちゃう時もあったかもしれない(笑)。でも、私はそれはめっちゃウェルカム(笑)! すごく戦っている感じがして、菜那は好き。だから、もっともっとこれからもね、僕青を良くしていくために全然⋯⋯人間として悪い時期があってもいいと思うし。それでもみんなを私は愛するので。みんなもそうだと思うから。なので(今日は)ガツンといきましょう!」。

塩釜は優しい笑顔で話していた。「ガツンといきましょう!」という言葉に、22人が「はい!」と応じた。塩釜菜那というリーダーは、相変わらず気持ちがこもった話をする。取材を重ねてきて、知ってはいたはずだが、私が思っている以上にメンバーみんな、現実に打ちのめされながら戦っているのかもしれない。

ちらと時計を見た塩釜は、みんなにこんな指示を出した。

塩釜「せっかくまだ時間もあるから、隣の人の好きなところを1つ言ってください!」。

ステージというあからさまな現実(ライブはパフォーマンスでも動員でも最も現実を目の当たりにする場所であろう)にこれから立ち向かおうとするメンバーみんなに「大丈夫。自信を持って」と塩釜は伝えたかったのかもしれない。でも、自分がみんなに「大丈夫」と伝えるより、メンバーがお互いに「好きなところ」を言い合うほうが、もっと親密で実感を覚えることができる。自分一人ではなく、支えてくれるメンバーがそばにいることを感じることができる。自然、グループに一体感が生まれよう。

メンバーたちは塩釜の指示に「おー!」「どっち隣り?」となんだかうれしそうに盛り上がる。右隣の人と2人1組あるいは3人1組になって、抱き合ったり、手を握り合ったり、肩に手を乗せ合ったりして、お互いの「好きなところ」を、みんなニコニコしながら言い合った。気が付くと、杉浦英恋や須永心海、金澤亜美ら何人かは、本番直前にメイクが崩れてしまうのもかまわず、涙を流していた。

塩釜が「最後に意気込みを、お願いします」と柳堀にうながす。すると「副リーダー!」とみんながもてはやす。今日の本番で、柳堀が副リーダーに就任することが発表される予定だった。恥ずかしそうに柳堀が一歩前に出た。泣きそうになりながらも笑顔をつくって、唐突に「みんなのことが大好き!!」と大きな声で言った。もともと声が大きくて真っ直ぐな性格の副リーダーらしい突然の告白に、みんなが笑った。柳堀は少し真剣な面持ちになって話を続けた。

柳堀「楽しいこともあったし、大変だったこともあったけど、みんなと今日まで乗り越えてこられて、うれしいです。これからも僕青は続いていくし、これからどうなっていくかは分からないけど、それでも前を向いていきましょう。まずは23人でZepp DiverCityにいる2千人以上のお客さんを最高の笑顔にして帰しましょう! 今日、私たちが一番輝いています! 輝く! 絶対!」。

メンバーみんなが柳堀のその言葉に「うんうん」と頷いた。そして塩釜が「じゃあ、やっちゃいますね」というと、みんなが隣の人と手を繋いで輪になり、塩釜の「せーの」というタイミングに合わせて、まるで自信のない自分を、現実に対する不安を打ち払うように、23人が一斉に僕青の円陣の言葉を叫んだ。

「一番輝く太陽に。夢や希望をどこまでも。届け〜! 僕が見たかった青空!」。

この円陣の一連の流れを見ていて、みんなの顔を見ていて、リーダー・塩釜と副リーダー・柳堀の言葉を聞いていて、「僕青らしいなあ。僕青っていいなあ」と思った。結成2周年記念ライブを見る前に、初の全国ツアーのファイナル公演でもあるライブを見る前に、そう思っていた。何が僕青らしくて、何がいいなあと思ったのか。それはライブを見ながら考えてみることにした。メンバーたちはすでにステージ袖に移動しはじめていたし、私も急いで客席に移動しなければ、オープニングを見逃してしまうから。

僕青のチャイム(Overture)が鳴りだし、会場は大きな歓声に包まれるが、音が鳴り止むとともに一度暗転し、ここまでの全国ツアーと同様に、ステージに八木仁愛だけが登壇してきた。そして、ライブの幕開けを告げる短い詩の朗読をするのだが、こういう言葉で結ばれる。

八木「さあ、一緒に青春をはじめよう」。

<つづく>
※次回更新は、6/27(金)予定です。

ーーステージに向かうメンバーたち。

撮影=田中健児
取材・文=小畠良一

★ライブスケジュール★

【雲組単独公演 #20】
2025年7月11日(金) 東京都・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

2025年7月17日(木) 愛知県・NAGOYA JAMMIN’

2025年7月18日(金) 大阪府・ESAKA MUSE

【雲組単独公演 #21】

2025年8月21(木) 東京都・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

【アオゾラサマーフェスティバル2025】

2025年8月31日(日) 東京都・豊洲PIT

【超雲組公演 HYPER】

2025年9月27日(土) 東京都・LIQUIDROOM

【僕青祭2025】

2025年10月18日(土) 神奈川県・KT Zepp Yokohama

詳細は>>https://bokuao.com/

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