【ANA-LOG】フジテレビ新人・原田葵アナウンサー「〝新人アナウンサー〟って結構なパワーワードなんだなと改めて感じてもいるんです」

気になるアナウンサーに迫るB.L.T.連載「ANA-LOG(アナログ)」を、B.L.T.webでも公開!

フジテレビ新人アナウンサー

原田葵さん

6月に「めざましテレビ」でデビューを果たし、今秋からは「ぽかぽか」の木曜日も担当するなど、1年目から大忙しの原田さん。グループ時代から本誌に何度も出てもらった縁もあり、インタビューではこの半年間を深掘り。本誌では紹介しきれないほどエピソードが聞けたので、今月は特別にWEBでも公開! ということで、本誌と併せて読んでいただけるとうれしいです。

B.L.T.2023年12月号©️Junya.JP

──「めざましテレビ」を担当する=夜明け前に出勤する、ということでもありますが、原田さんはこのサイクルにもう慣れましたか?

「はい。サイクルに慣れてきたこともありますが、担当する曜日の前夜は早めに就寝しているので、パッと起床できています。今にして思うと、グループの活動と並行して就職活動をしていた時期の方が大変でしたから……(笑)。普段はダンサーの方が振付を教えてくださるのですが、自分達で動画を見て振りを覚えなければならないライブがあって、それと重なった時が一番しんどかったですね。覚えなければメンバーに迷惑が掛かってしまうことも分かってはいましたが、これからの自分の人生を決定する就活に気持ちが向いていて──しかも大学を卒業するためにレポートも出さなければならなくて。アナウンサー採用試験を受けて、ライブのリハーサルもして……という間に採用試験の結果が伝えられる。採用試験も一次、二次と通った場合は次に向けての準備を進めていくので、帰宅してからまた大学のレポートを書いて、仮眠をとって翌日にまた採用試験を受けに行く、といった具合だったんです。ただ、それを選択したのは自分なので、誰にも弱音を吐けなくて──。その当時に比べると、今はアナウンサーの仕事だけに集中できていますし、まさしくグループ時代に根性とメンタルを鍛えられたので、特に早起きを苦だと感じたことはないんですよね。それよりも、もっとアナウンサーとして成長したい、早く一人前になりたいという気持ちの方が強いかもしれません」

B.L.T.2023年12月号©️Junya.JP

──それはきっと場数を踏んで経験を積めば、自ずと成長線を描けるのでは……と思ったりもします。

「よく先輩にも、そう言われます。ニュースや原稿を読んでいくうちに自分の足りないところに気づいたり、『こう読む方がいいんだな』という感覚を掴んだりしていくものだから、何回もトライアンドエラーをするしかないよ、って。ただ、アナウンサー1年目の身からすると、そこがまだ理解も実感もできないのが正直なところで、ますます焦ってしまいます……」

──見方を変えれば、自ら律することができるストイックさを持ち合わせている、と言えるのかもしれませんね。

「グループ時代から常に自分の最善を尽くすという意識で仕事に取り組んでいるつもりですが、本当の意味でたくさんの人が関わって汗を流しているからこそ、番組が放送できていることの重みを感じたのは、やはりアナウンサー職に就いてからです。研修で報道局から情報局、技術局と全部の部署をまわって、それぞれ1日かけて仕事の内容を教わる中で、自分だけの思いで原稿を読むことはできない、カメラの前には立てないという思いが強まった、と言いますか──。取材をした人がいて、その取材を受けてくださった人がいて……と、1本のニュースに関わった人達の思いを繋いでいくと重みを感じずにはいられなくて。でも、新人アナウンサーはただでさえ緊張しているのに、本番でそこを意識すると頭がいっぱいになってしまうんです。先輩からの『その感謝を持ちつつも、読む瞬間は忘れる。すべてを忘れて、何もないように読むのが一番だと思うよ』という助言に沿って、極力フラットに読もうと心掛けてはいますが……難しいですね」

──ニュースや情報を視聴者に伝える役割に徹する、と。

「うまく読みたい、こんなふうに伝えたいという自分の欲は極力抑えて、視聴者がしっかりと情報を得られるようなアナウンスメントが、まず1つの理想としてあります。その上で、スタッフの皆さんの『このように読んでほしい、こう伝えてほしい』という思いを汲むことができたら、なお理想的かなと思っています。なので、ニュースを読むことにおいて自我が表れることはないですし、そもそも自我が出てしまうほど心の余裕もないように感じているのが、実際のところです。どのように読むのが正解なのかがまだ分かっていないのもありますが、今はまず視聴者に受け入れてもらえるようになることと、制作の人達の思いを伝えるべく、繋ぎ役や橋渡しに徹しようと思いながら原稿を読もうとはしているものの、まだその技量がないことが悲しくて落ち込む日々です……」

──ただ、スキルは後からついてくるものだったりするじゃないですか。

「『めざましテレビ』でデビューして以来、私の面倒を見てくれているディレクターさんからも『今日できなかったことは、次の日にできているようになればいいんじゃない?』と言ってもらいましたが、何か1つのことができるようになると、そのほかのできていないことが気になってくるんです。欲張りなのかもしれないですね。あるいは自意識過剰なのかもしれませんが、アイドルとして活動していた経歴を通して見てもらうのではなく、フジテレビのアナウンサーの原田葵として認めてもらいたい気持ちが強いのは、自覚しています。それが焦りになると空回りするのも頭では分かっているので、余裕を持つためにも早くスキルを身に付けたいです。別の言い方をすると、落ち着きが欲しいからこそ、しっかりとしたアナウンスができるようになりたいです」

──お話を聞いていて、ストレートに素敵な心掛けだなと思いました。

「これも意識しすぎなのかもしれませんが、単に『がんばります!』という言い方はしないように気を付けています。たとえば、『精一杯、努めます』という言い回しに変えてみたりしていますが、そこを考えていくと語彙力の乏しさにまた落ち込むという……。その点、先輩方は日常会話から言葉のチョイスがすごく素敵で、語彙も豊富です。自然体で話しているのにワードセンスも抜群、というレベルに自分も速く到達したい気持ちがありつつ、まずは正確な情報をしっかり届けられるアナウンサーになることを目標に、実りのある1年目にしたいですね」

B.L.T.2023年12月号©️Junya.JP

──ただ、新人アナウンサーと呼ばれる期間があと半年ぐらいなんですよね……。

「そうなんですよね、あと半年すると後輩が入ってくることが信じられないです。そういったこともあって、〝新人アナウンサー〟って結構なパワーワードなんだなと改めて感じてもいるんです。よく『3年目に転機が訪れる』だとか『3年目は勝負の年』だと聞くので、とにかく3年目までは一所懸命、かじりついてでも成長していきたいという気持ちを自分の中で持ち続けようと思いつつ──新人と呼ばれる間にたくさんトライアンドエラーをしていければ、と──」

取材・文/平田真人

B.L.T.2023年12月号掲載

誌面には原田アナウンサーから土生瑞穂さんへのメッセージも!

▽発売中

https://amzn.asia/d/1BmJehC

はらだ・あおい

’00・5・7東京都出身。’23年4月、フジテレビに入社。「めざましテレビ」と「ぽかぽか」を担当している。番組オンエア後はソファで寝落ちすることもあるが少し寝ると体力が復活するという”元気印”!

めざましテレビ

毎週月〜金 前5・25〜

最新のニュースや天気、話題のトピックを紹介する朝の情報番組。原田アナウンサーは月曜の「ココ調」キャスター、木曜のフィールドキャスターを中心に担当。

ぽかぽか

毎週月〜金 前11・00〜

「みんなの“楽しい”が集まる場所」を合言葉に、ゲストを招いてのトーク企画や、ライブ感覚あふれるユニークな企画の数々をお届けする“お昼の生バラエティー”。原田アナは木曜の担当。

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