葵うたのweb連載【葵色日記】#31 何事もほどほどに

私は、超が付くほど機械音痴だ。
この連載はiPadを使って書いているのだけれど、Word以外の機能をほとんど使っていません。
ほかは、音楽を聴くのと、写真や映画を見るくらい。

友人から聞いたところによると、この板1枚で、イラストも描けるし、動画編集や台本をデータで入れて書き込みもできるらしい。
それには一万円ほどする専用のペンが必要らしく、なかなか手が出せない。
この子もどうせならもっとクリエイティブな人間に使われたかっただろうに。

結局、機械音痴というか、新しいことを覚えるのが面倒くさいのです。
連載や、脚本を書く時はiPad。
メモや資料をまとめるのはノート。

これで今はこと足りているし、充実もしている。
なんでこの話になったかというと、この連載を書くページを開くのに、なぜか今回は手こずってしまったから。
“なぜか”の“なぜか”は説明ができない。

イライラしながらも、とりあえずそれっぽいものを押しては謎のURLが出てきて、押したら押したで英語ばかり出てくる。
変なウイルスに感染していないといいのだけれど。

このただの文句を打ち込んでいる今も、突如文字のサイズがバラバラになってしまい、なんだか“つぎはぎの犯罪予告文”的な感じになってしまっている。
ふぅ……。

申し訳ないが、このまま書き進めようと思います(書き終わったら優しい友人に電話で教えてもらおう)。
いっそ原稿用紙に書いてみたいものです。
と言っても、やっぱりこの形態が読みやすいし、私が書いた文字を誰かにわざわざ打ち込んでもらうわけにもいかない。

先日ニュースかクイズ番組を見て知ったのだけど、なんと、お給料を電子マネーでもらうことができるようになったらしい。
私は電子マネーでもらうより、現金でもらう方が100倍ありがたい。
なんて思うのだけど。

それだけネット決済が普及しているのだろう。
先日喫茶店で、私の祖母ぐらいの年齢であろう女性が「PayPay♪」と軽やかな音を鳴らし、お会計を済ませているところを目撃した。

友人と食事をして、「さぁ割り勘しよう、一人いくらだ」となった時も、現金ではなく電子マネーでのお金のやりとりがある。
その度に気まずいのだ。
毎回「私も登録する!」と威勢をよく宣言して、結局次回も私は現金かカードしか持ち合わせていない。
もう無駄な宣言をするのはやめにしよう。

携帯を見なさすぎて怒られる私でも、長時間SNSを見ている時もある。

Instagramを何の気なしに開いてリール? おすすめ? のところを開くと“保存必須、沼になる味付け、男を沼らせるテクニック”などの謳い文句を掲げた動画が出てくる(沼ばかりなのはなぜ)。
それから動物のかわいらしい動画(変な動画ばかりではないと伝えたい)。
それらをボケーっと見てしまう。
見ると言うより眺めてしまう。

おすすめはAIがセレクトしているらしいので、便利だけどちょっと怖い。
きっと男性のおすすめ欄には水着姿の綺麗なお姉さんばかりだろう。
鏡越しにぴちぴちのトレーニングウェアを着てお尻をきゅっとさせて撮っている写真とか。
偏見だが、友人の携帯に写っているそれらを見たことがある。
私の場合「男を沼らせるテクニック」(なんとも打ち込んでいて恥ずかしくなる言葉だろうかっっ!)の動画は全く関連する心当たりはないのだけれど、出てきてしまってはしょうがない。
「ほほう」と上から目線でその動画でスクロールの手を止める。
そこに書いてあったのは、意地の悪いというか、面倒臭いというか……。
つまり駆け引き、らしい。

こんな話は友人とお茶をしばいている時に笑いながらエピソードを交え、冗談めかしながら話すのが楽しいのであって、見ず知らずの画面から得るものじゃない、と思った。
まぁ、見る前から思っていた。
それでも見てしまうのが人間なんだろう(書いていてあれだけど、今回本当に何の話や! しっかりしろ私!!!)。
その動画の最後は「共有ボタンの2番目の人はあなたを好きな人!」で締め括られる(やんや言いながら一応最後まで見ている)。

2番目は母だった。
いや間違ってないけども。
知りたいのはそういうことじゃない。
多分知りたいことは、何も考えずただ眺めている画面の中にはないんだ。
もちろんたくさんかわいいも素敵も面白いもあるけど、自分で選ぼう! なるべく!

この連載だって、きっと何かに関連させていただいたりしているのだから。
私たちの仕事とは、切っても切り離せない世界だ。

SNSについて見直しつつ、一旦ブレイク。
先日、図書館で借りた大泉洋さんのエッセイ本を読む。
ユニークなお人柄らしい文章にページをめくる手が止まらない。
今の私と同じ、24歳から始まるエッセイ。
エピソードにニヤニヤしながら、時に真面目な議題に眉をよせ、口を尖らせながら(集中している時の癖)読む。
大泉洋さんの16年間綴った言葉。
充実して、さっきまでの鬱憤を解消して胸を撫で下ろす。
レンタルでごめんなさい。お財布が“温まったら”必ず手に入れます……!!
それから私、本ばっか読んでいないで、もっと、、いろいろ、、がんばろうな!!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。!!!
また少し先ですが、お知らせがありますので、放送中のドラマ『パリピ孔明』と合わせて、よろしくお願いします!!!!

【毎連載恒例のオススメの一冊】


「白夜行」 著者/東野圭吾

#32は10月30日(月)の公開予定です。

葵うたの aoi utano
’99・7・4埼玉県出身。蟹座。B型。
俳優・タレント。ドラマ「ガールガンレディ」などの出演経験があり、アニメ「Artiswitch」では主人公の声優を担当。毎週水曜22時に放送中のドラマ「パリピ孔明」(フジテレビ系)で、アイドルユニット「AZALEA」の「一夏」役を担当。

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