GEMとは、アイドルであり、アーティストである

「GEM=Girls Entertainment Mixture」とは、少女たちのエンターテインメントの集合体であり、宝石の意味も持つ。その名の通り彼女たちは、エンターテインメントとして見せるに充分すぎるほど事足りるパフォーマンス力を持ちながら、宝石のように輝くキラキラ感、ひいてはアイドル性を兼ね備えた、アイドル界では他に類を見ない唯一無二のグループである。

まだ正式メンバーが決まる前、スターティングメンバーのパフォーマンスを初めて目にしたのが、2012年12月に中野サンプラザで行われた「SUPER☆GiRLS EveryBody JUMP!! 2012 FINAL 〜X’mas Special〜」。GEM初お披露目の日である。「Speed Up」の1曲のみのパフォーマンスを見たのだが、ド肝を抜かれた。とにかく、今まで見てきたどのアイドルよりも楽曲が、歌声が、ダンスがとにかくカッコよく、アイドルのそれではなく、アーティストのそれとして成立するものだったのだ。iDOL Streetが、アイドルの定義を根底から覆そうとしているように感じた。とはいえ、やはりアイドルファンが求めるものは、既存の定義としてあった“かわいらしさ”、“一生懸命さ”、“ライブでの盛り上がり”などといったもの。果たしてGEMは、そんなアイドルファンのニーズにそぐうのだろうか……? 彼女たちのパフォーマンスに圧倒されながらも、そんな心配を抱いていたのだが、それは全くの杞憂に終わることになる。

その後、2013年6月に正式メンバーが発表されると、楽曲の増加とともにライブの回数も増え、みるみるうちにメジャーデビューへと突き進んでいく。それに伴い着実にファンも増え、人気も出てきていた。結果から言うと、ひとえにそれは、彼女たちのアーティスティックな部分に、アイドル性が備わっていたからである。その理由のひとつは、彼女たちのルックス、立ち振る舞い、ファン対応のいずれもが、アイドルのそれであること。いわゆるフレッシュ感とキャピキャピ感が常に感じられた。

そしてもう1つの理由としてあげられるのが、やはり彼女たちのパフォーマンスである。最初の「Speed Up」の際は、曲がすでにアンニュイかつカッコよさあふれるもので、アーティストの部分を前面に押し出したパフォーマンスだったため、それに気づかなかったのだが、その後の「Just! Call Me」「We’re GEM!」「BFF」「Like A Heart Beat」「Can’t Stop Loving」「Baby, Love me!」などといった、明るい曲調の楽曲のパフォーマンスは、完全に“アイドル”のそれだった。いや、正確には、歌やダンスなどのクオリティーの高さはアーティストとして成立するものだが、それ以外の見せ方や表現の仕方に、アイドル性が抜群に秘められていたのだ。とにかく笑顔で楽しそうに歌って踊る様子、曲中にアドリブでメンバー同士がじゃれ合う演出、ステージからバンバン飛んでくるレス。そのすべてが、彼女たちをアイドルとして見るのに充分すぎるほどの要因となっていた。明るくて元気な、いわゆるアイドルポップスな楽曲を、アーティストばりの歌とダンスで見せながらも、あくまでアイドルとして表現できるグループは、GEMしかいないであろう。そんな両極端にあるアーティスト性とアイドル性の両方を兼ね備え、これしかないという塩梅で両方を見事に掛け合わせられているところが、彼女たちの1番の魅力である。

また、GEMがGEMたる所以、すなわちもう1つの彼女たちの魅力であるのが、メンバーひとりひとりのストイックさである。彼女たちは、とにかく負けず嫌いで、自分に妥協することがない。彼女たちがそれほどまでに自分に厳しくストイックになれている理由は、メンバー全員の歌もしくはダンスのスキルの高さにある。それなりに自信を持ってGEMというグループに入ったものの、他のメンバーも自分と同じか、もしくはそれ以上のスキルを持っている。みんながみんなその状況下において、自ずと「他のメンバーに負けたくない」という思いが芽生えるようになり、相乗効果が生まれるのだ。実際に、最初に目にした「Speed Up」のパフォーマンスですら、こちらとしてはド肝を抜かれたわけだが、当時の話を今メンバーに聞くと、口を揃えて「最初は本当に下手くそだった」と言う。そして確かに、月日を重ねるたびに、歌もダンスも洗練されていくのだ。それはひとえに、彼女たちがまわりにどれだけ「歌とダンスのクオリティーが高い」と褒められても、その現状に満足せず、ひたすら磨き続けるストイックさあってのものである。

そんなGEMでセンターを張り続けた武田舞彩が、6月25日のiDOL Streetカーニバルを最後に、ロサンゼルスへ留学をする。正直、その事実がGEMに与える影響は計り知れない。それでも僕は、彼女たちなら武田が抜けた穴を埋め、さらにはより高みへと登っていくと信じている。なぜなら、そう思わせてくれる力が、GEMにはあるからだ。

 

●PROFILE
GEM(じぇむ)
「GEM Premium Mixture 2016 ~3rd Anniversary~」(6/11(土)新宿BLAZE)を開催。また、「iDOL Street Carnival 2016 6th Anniversary ~RE:Я|LOAD~」(6/25(土)TOKYO DOME CITY HALL)に出演。
その他詳細はGEM公式HPをチェック!
http://girls-entertainment-mixture.jp/

 

B.L.T.7月号はこちら!
http://blt.zasshi.tv/list/201607.html

過去のiDOL Street版はこちら!
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